「なまえちゃん、これちょっと鬼灯君にこの書類届けてくれない?」
「え〜〜自分で行ってくださいよ〜」
「お願い!あとでおいしいお菓子あげるからさァ」
「お菓子?お菓子で釣られる女と思ったら大間違いですよ!銭出せ、銭」
「え、え〜…そんな事いわずにさァ〜」
「仕方ないですねぇ」
「なにそれ鬼灯君の真似?うまいうまい。うまいよなまえちゃん」
「あ、分かりました?じゃあしょうがないから届けてあげますよ」
「有難う、なまえちゃん!」
「あとできっちり報酬は頂きますぜ!閻魔の旦那!んじゃいってきます」
そういってなまえが広間から出て行くのを確認してから閻魔はため息をついた。
「はぁ…なまえちゃんを好きな男の子はみんな苦労するんだろうなぁ…お駄賃お駄賃って請求されてさァ…」
ワシが思うにきっとなまえちゃんは、尽くされるタイプだな。
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「ごめんね〜すな〜おじゃなく〜て夢のな〜かな〜らい〜え〜る♪」
ふふん、歌っていたらすぐに着いちゃった。
いつも思うけど鬼灯様の部屋って部屋のドアから威圧感漂ってるよね。
ドンドン!
「ほ〜ずき様〜」
ドンドン!
「鬼灯様!?」
あれ〜?鬼灯様部屋に居ないのかな…いや、そんはずはないはずだ。
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
「ねー!ほーずきさまぁー開けてー!あけてよー!ねー!開けてってばー!」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
「ほーずきさ」「しつこいんですけど」
そういってドアから顔を出したのは部屋の主鬼灯様だった。
「なんだ居たんだ、鬼灯様」
「はい」
「いるなら出てくださいよ〜」
「どこぞの新聞の勧誘かと思ったので息を潜めてました」
「まぁ立ち話もなんだし?どうぞどうぞ中に入って?」
「それ私の言うセリフです」
「お邪魔しまーす!…うわ!相変わらず本の匂い」
「貴方さきほどから失礼ですよ」
ほんとは、鬼灯様の匂いがした。私何故か鬼灯様の匂い好きなんだよね。これ言ったら変態とか言われそうだから絶対言わないけど。
「そうですか…って…鬼灯様!なんで服脱いでるんですか!」
反射的に手で目を隠したけど、鬼灯様の裸見たさで指と指の間から盗み見る。
「何恥ずかしがってるんですか、ていうか指の隙間から見ないでくださいよ」
「………だって…女の子だもんっ☆」
「………!?」
「…え、なんで女だったの?みたいな顔してるんですか!私女ですよ!ていうか服着てくださいよ!」
いやいやいやいや、おかしい!おかしいよ!私男の子と勘違いされてたの!?ていうか鬼灯様の鎖骨たまんねー!
「これは失礼しました」
「アイアムウーマン!!」
「はいはいわかりました、ところで何しに来たんですか」
「え?…あぁそうだった!書類届けにきました。ハイ、これ」
そういって閻魔様から預かった書類を鬼灯様に渡す。
「どうも」
鬼灯様って指綺麗だなぁ…女の私よりも綺麗なんじゃ……。
自分の手を見てみる。
私完全に女失格じゃん…
「…う〜ん、まぁ鬼灯様の裸も見れたし書類渡したし鎖骨見れたし私はそろそろ仕事に戻らないとな」
「途中変態要素混じってますよ」
「じゃあ鬼灯様?ばいばい!寂しがらないでくださいね」
少し居すぎたかな…閻魔様も待ってるだろうな、お駄賃と共に。
私が立ったその時、力強く腕を引っ張られる。
「さみしいです」
「…え…?……つ、ツンデレキャラ目指してるんですか、鬼灯様」
何故か今私はあぐらをかいている鬼灯様の足の上に乗っている。
これは、あれか。お姫様抱っこ 座ったver.ののか、これ。
「帰らせるわけないじゃないですか」
綺麗な顔立ちをした鬼灯様のお顔が今至近距離にある。正直、卒倒しそうだ。
「萌え萌えキュン……!」
「帰らせたく無くなってきました」
「そ、そんな…心拍数上昇してしまいます、鬼灯様…」
「大丈夫です、貴方はもう死んでいる」
え、ここケンシロウか!って突っ込んだ方がいいの?私、あたたされるの!?
「…な、なんか危険な香りがするのは私だけ…?」
「これからもっと危険な事しましょうよ」
「キャッ……!」
「なまえちゃん遅いなァ…まさか鬼灯君に襲われてたりして。…………ん?……鬼灯君に襲わてたりして!?」
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