あれから、私と鬼灯さんはあまり喋らなくなった。
これ以上好きになっちゃいけない、だから話さないのに考えてしまうのは鬼灯さんの事ばかり。
一緒に暮らしている訳だから必要最低限の話はしたりするが、前みたいに他愛もない話をしたい。
花火大会のあの日の夜、きっと私が言おうとしてた事分かってたよね鬼灯さん。
分かってて、阻止したんでしょ?
諦めろって言いたいんだよねきっと。
そろそろ鬼灯さん帰ってくるな。
「ただいま帰りました」
そう思ってすぐに、鬼灯さんは帰ってきた。
「お帰りなさい」
「ご飯にします?お風呂にします?」
「なまえさん話があります」
「話?」
「はい、私にとっては大事な話です」
ドキッと胸が鳴る。
きっと、嫌な話…聞きたくない。
タイムリミットは、鬼灯さんと会った日から一刻一刻と近付いていたんだ。
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