けんにゃさん嫉妬する。





「謙也さんっ、はよ!はよ準備して下さい!!」
「はは、分かった分かったちょお落ち着けや」

どうもみなさんこんにちはけんにゃさんです。俺は今日とてつもなく不機嫌なのにゃ。その理由は、異常にテンションの高い可愛いひかる。

どうやら今日の放課後、けんやさんとひかるは「にゃんこカフェ」に行くらしい。にゃんこカフェとはその名の通り猫と触れ合うことのできる喫茶店で店内にたくさんの猫がおるんやと。

やっぱりひかるは俺や不満なのかにゃ。俺は野良やし、にゃんこカフェには俺よりもきれいで可愛い猫がいっぱいおる。あーいやだ。ちなみにこれをひかるのキモい先輩風に言うと「浮気か!死なすど!」って感じやな。


にゃあ…やっぱり不安になるんやで。どんなに可愛がってもらっとっても俺はひかるに飼ってもらっとるわけやない。今でこそひかるに心を許しとるけど最初は人を信じれんくてひかるのこともいっぱい引っ掻いた。

なぁひかる。俺は勝手にひかるに飼ってもらっとる気になっとったよ。調子に乗りすぎた。

ねえ、もう捨てられたくない。お願いやから、離れて行かないで。










気がついたらいつもの場所で昼寝しとった。目の前には、可愛いひかる。

「あ、けんにゃさん。起こしてもうた?」
…ひかる。
「今日にゃんこカフェ行ってきたんやで。これお土産の猫缶な」
これ、いつものより高いやつやんけ。
「仰山可愛えねこおったんやけど、けんにゃさんがやっぱ一番やったわ」
…………。

「あ、言い忘れとった。けんにゃさん、」
なんや?
「ただーいま」



俺は必死でひかるに擦り寄った。(もし俺が犬やったらいっぱい尻尾振れると思うにゃ)俺は野良やねんぞ。絶対喫茶店の雇われ猫のが可愛いに決まっとるやろ。ああもう、おかえり、ひかる。おかえり。

もし飼い主になってくれる人が現れても俺は今誰にも貰われたくない。

ひかるの傍が、今まで生きてきた中で一番幸せやなぁ、なんて短い人生ながらに思うのです。

ひかる、大好きにゃ。





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