「やっと来たのかよ。遅えじゃん西岡一花」
「いやー、ごめんね!これでも私10分前行動5分前集合をモットーとしてるんだけどさ、クソ竹島にね、テストの丸つけシクヨロ☆って言われちゃってさー…遅れちゃった…ごめん!」
「ふーん…ドンマイ…」



昼休みなう。体育館裏なう。
なぜかと言うと簡単なことだ。真実はいつも一つ!はい、ファンクラブ様からのお呼び出しです。ご苦労様でーす。ブタと銀色からひっつかれて約3日、最恐ファンクラブの方からラブレターが届きました。『昼休み体育館裏』ってな感じの。

ブタと銀色の扱いがひどくなっていってるのは…うん、理解してください。3日間ストーカーされればこうなりますって。


ブタも銀色もというかテニス部レギュラーの人気は凄まじいと聞いていたので、めんどくさいことになりそうだとは考えていたけれど、こんなにはやいものだと思っておりませんでした。さすが最恐。恐るべしファンクラブ様。




「前なんて会議用の書類作れって言われたんだよ?何で私がって感じじゃないですか?」
「竹島まじクソ教師だな。西岡さんご苦労様」
「もう日常茶飯事だよー。これから楽しい昼休みも丸つけに消えるの考えたらがっかりですね…。はあ」
「竹島はファンクラブでも評判良くねえなー。丸井くんと仁王くんと同じクラスの子が言うにはあいつ面倒くさがりで席替えしないらしいね。私もあいつ嫌い」
「そうなんだよ!その制度でどれだけ私が苦しみを味わってるか…!くそう!」
「あー。西岡さんは私らにとっての神席ゲットしてんだよね。ファンにとっては神席だけど、そうじゃない人にとっては苦痛でしかないのか。ファンクラブ過激な子多いし」
「そうそうー!ってか、世間話してますけど皆さんはどのようなご用で?」
「あー、実は私らも過激派で、ちょっと西岡さんのこと懲らしめてやろうと思ってたんだ」




ファンクラブの子たちはとても素直であった。普通本人いる前で懲らしめてやろうと思ってたとか言わないよね!?もっと違うこというよね、西岡さんと仲良くなりたくてーとか!なんて素直なのこの子達。お姉さんびっくり。




「けど西岡さん、仁王くんと丸井くんに好かれて調子乗ってるかと思ったら、全然そんな感じでもないしやめたー」
「おー。正直仁王くんと丸井くんにはちょっと迷惑してますからね…。とりあえず暴力振られないなら安心」
「西岡さんってなかなかおもしろい性格してるよね。普通調子乗るよあんなイケメンに好かれたら!」
「私は性格重視なの。だからあんまり知りもしないのに好きになったり、イケメンに好かれても調子には乗らないよ」
「なんか、仁王くんと丸井くんが西岡さんに興味持つ理由わかる気がするわ」
「それはどうも」
「じゃあ、仁王くんと丸井くんのこと性格までよくわかってきたら西岡さんも好きになっちゃうかもしんないね」
「現段階ではまだわかんないね。もしかしたら好きになるかもしれないけど」




そう言った後、ちょっと後悔した。好きになる可能性もあるってわかっちゃったら私シメられるんじゃないか?暴力怖い。そう思いながらファンクラブさん達を見たら結構良い笑顔でこちらを見つめていた。どうやらもう敵意はもたれていないようだ。




「そうなったら西岡さんとライバルになっちゃうね。負けないんだから!」
「そうなったら、だけどね」
「きっと好きになると思うけどなー。だって2人とも性格までイケメンよ?」
「そうなんだ。まだ知り合ったばかりの私には魅力がわかんないや」

「まあ、また進展あったら教えてちょーだい。もちろん私たちも負けねえよ!」
「西岡さん採点頑張れー」
「また今度お弁当とか一緒に食べようねー」




そう言ってファンクラブさん達は去っていった。正直何がしたかったのか全くわからない。わかったことはブタ銀のファンクラブさんは調子に乗ってなければ暴力振ったりはしないことと、竹ちゃんが嫌いなことかな。私は竹ちゃんのこと大好きだよ!あれはネタで言っただけだよ!採点しろはウザいけど!ムカつくけど!!!ラブレター見た時はドキドキだったけど、何もなくてとりあえずよかった。





「いちごちゃん!!!」
「椿ちゃんからファンクラブに呼び出されたって聞いて飛んできたんだけどよ…」
「…何ともないようじゃな、よかったぜよ………」




ファンクラブ様とわたし
(…好きになるかもしれない、ねえ…。まだ想像もできないや)









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