俺は信じない | ナノ


▼二次試験




…一次試験がサトツさん
か。結構簡単だったな。
つか、二次試験の試験官
は誰だよ…。俺の苦手な
奴は勘弁だぜ…。あと、
バレそうな奴もな。




『…ゲッ』




言ってる傍から…。
マジかよ!




「試験官のメンチよ」

「同じくブハラ」




…ここでまさかの
コイツ等かよ。俺の顔
彼奴等に知られてんじゃ
ねぇかよ!バレるのも
時間の問題じゃねぇか。
って、そんな事よりだ。
この試験、彼奴等が
出るとなるとちょっとや
そっとじゃ合格は無理
だな。合格者無しが
出るかもしんねぇよ、
こりゃ。




『…厄介な奴が出たぜ』

「試験内容は…」




参加者全員が息を飲む。
どうせ…




「料理よ!」




ほらな。周りは、笑う
奴等ばっか。どうか
メンチがキレません
ように、と。まぁ、もう
不機嫌だけど。




「試験内容は簡単よ。
アタシ達が出した課題
料理を作って美味しいと
言わせるだけ」




あちこちで余裕だろ
とか、試験を舐めて
かかる奴等は後で痛い目
見んぜ?




「試験が料理か…」

『ぜってー、
手こずる…』

「俺が出す課題は、豚の
丸焼き」

『豚の丸焼き…』




最初は、ブハラが
リクエストした豚の
丸焼きか…。まぁ、作る
のは簡単だな。ただ、
あの2人に美味しいって
言わせりゃ合格ってのは
無理だろ…。




『…彼奴等なぁ、自分の
舌考えろってーの』

「ユエ!豚探しに
行こうよ!」

『あぁ』




ん?ここ、ヌメーレ湿原
だってサトツさん
言ってたよな?んで、
親父とジオが言ってた所
だよな?つーことは…。
嘘だろ…。




『…ゴン。ちっと、豚
探すの大変かもしんねぇ
ぞ』

「何で?」

『ここにいる豚の種類は
たった一種類だけだ』

「「一種類…、だけ!?」」

『だけ』




しかも、めっちゃ
アブねぇヤツ。




『グレイトスタンプ
だよな…』

「あ」

『ん?…あ』

「『いた』」




ぅわ…、群れで
いやがる。つか、目
合ったし。




『ぅわぁ…、こっち
向かってきやがった…』

「に…、逃げろ…ッ!」




つか、何でこっち
向かってくんだよ!
ふざけてんのか、
クソ豚!




『チッ!』

「ユエ姉!?」




俺は豚が来る方向に
走った。




『っの、くたばりやがれ
クソ豚ァアッ!』




渾身の力を込めて頭を
ぶん殴った。微妙な
手応え…。つか、豚
よろけてねぇか?




『…あ、よろけて
倒れた』




わ〜、奇跡的に弱点を
ぶん殴ってたのか。頭。




「ユエ姉、やる〜」

『見てたのかよ…』

「つー訳だ、ゴン!頭を
狙え!」

「解った!」




何とかブハラの課題は
何とかいけそうだぜ。
ただ、問題は…




『メンチ…』




あのじゃじゃ馬娘は
一筋縄じゃいかねぇ
だろうな…。













二次試験

(……はぁ)