カインの十字架:藤森 凛さま
この度はご参加下さり、誠にありがとうございます。ご丁寧に記述して下さったメール本文、とても助かりました!
さて、話を戻しまして、作品読ませて頂きました。私の感想といたしましては――
『圧巻』
この一言に尽きます。
洗練された匂いのする美しい文体と、練り込まれた構成。特に、冒頭の神についての文と、終盤の語りの文をリンクして読ませる作者様の技量に感服致しました。
随所にちりばめられた神話と、多くは語らないが故に伝わってくる主人公の怒りが、作品全体を締めている印象です。
そしてなにより、この言葉。
神様は仰いました。
――逆らうな、従え。
神は本当に、彼の兄を追放せよとおっしゃったのでしょうか。彼の兄は本当に、この世の影と呼ばれる存在だったのでしょうか。
その真意は、神のみぞ知る。カインと同じ罪を犯した主人公の行く先もまた、然り。
吟遊詩人が詩う一つの神話のような、清廉で苦いお話でした。
私の拙い短文を、このような素晴らしい作品に使って頂きまして、ありがとうございました。
もし宜しければ、またご参加下さい!
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