欲しい物なんてなかった知らなかった私が私である為に必要なものは唯一つで、その為ならば他の何を捨てたって構わなかったし余計なものは何も必要なかった。削いで、磨いて、何枚も花弁みたいに削げ落として、酷く薄い羽根で飛んでいた。
歌が、歌さえあれば何も要らなかった。
なのに、欲しいものが出来た。伝えたい意志が、叫びたい感情に変わった。私はもう妖精なんかじゃなかった。擦り切れるまで叫びたいのは愛情と孤独だった。愛してるよ、愛してよ。

お願い私に歌わせて

お帰りなさい
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