私とラブルス



「もう!ユウ君ったらぁ〜」


「怒らんといてや小春ぅ!」



前方に見えるのはラブルスと呼ばれているテニス部の小春ちゃんにユウジ君。思わずかけより小春ちゃんに思いっきし抱き着く。うん、今日もやっぱり可愛いです。


「あらん雅ちゃん!久しぶりやわ〜」


「会いたかったよ小春ちゃん!相変わらずかわいいね!」


「さっさと小春から離れや彼方!」


「いやだ。小春ちゃんは私のものだ」



さっきよりもギュッと強く抱きしめると小春ちゃんは嬉しそうに私の頭を撫でる。この撫で方が優しくてたまらんね。

小春ちゃん(+ユウジ君)は謙也繋がりで仲良くなった。特に小春ちゃんは男子なんだけど、そこら辺のギャルなんかよりも気品があって優しい小春ちゃんに私はズキュンと心を奪われ、べた惚れ状態。つまりは、小春ちゃんは男子だけど私にとってはかわいい女の子にしか見えてない。
そんな訳でユウジ君とはライバル的な存在。しかも彼は女子(というか小春ちゃん以外)に冷た過ぎる。あの言葉遣いは女の子がかわいそうで仕方ない。


「そういえば謙也君が最近雅ちゃんが財前君とコンビで冷たいって拗ねとったわよ?財前君と仲ええんやねぇ」


「えーそうかな?私が謙也に冷たいのはいつもの事だよ。それに財前君は…」


仲が良い訳じゃない。よく謙也に会いに来るから、その時に会話をするぐらいだよ。それに私が話し掛ける理由は彼が女の子にちゃんと優しくしてるかを確かめるだけ。うん、それだけだよ小春ちゃん


「…そうなん?残念やわぁ」


「何で?」


「さぁ何でやろね?うふふっ」



…残念なのに何でそんなに嬉しそうなんですか小春ちゃん。


「お前が財前のこと好きになれば小春が俺だけのものになるっちゅー話や」


「謙也の口癖真似しても似てないよ。むしろ下手」


「死なすど!!」


「べーっだ」



追いかけてくるユウジ君から逃げてると、まだニコニコしてる小春ちゃんが見えた。


「(今のところ雅ちゃんは興味なしって感じやねぇ…。噂に聞くと財前君は無自覚やし…ああん!二人の展開が気になるわぁ)」










(20120310/ユウジ君のバーカ)


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