「誕生日プレゼントは」別ver.
今日は僕らが可愛がる(可愛がっていた?)シャイニーのマンネ、テミンのハッピーバースデー。
テミンとジョンヒョニヒョンが恋人同士だから、気を利かせた僕たち他のメンバーは今日、あまり部屋の外に出ないことにしていた。
…んだけど。
なにしてんの、この人ら。
「ミノヒョン、もしかしてこのケーキ、ミノヒョンがくれたの?」
「は?いや、違うけど…(多分ジョンヒョニヒョンだな)。あ、テミナセンイルチュッカぶふぉ!」
目の前には、何故かチョコレートケーキ片手にミンホに迫るテミン。
お前迫る相手違うと思うんだけど。
コンコン、とノックしてミンホとテミンの部屋に入った瞬間これだ。
顔に、こんな子ども騙しなプレゼントなんか要らねーよ、と書いてあるテミンに、可愛さなんてカケラも見えてこない。
昔の末っ子らしい可愛さは、いったい何処に消えたんだか。
それとテミン。
子ども騙しなプレゼントって顔に書いてるけど、多分それ、ジョンヒョニヒョンからだと思うよ(この前ケーキのカタログを睨むようにジーッと見つめてたし)。
なんて思ってても口にはしない僕。
傍観を決め込んでいたら、テミンの手元から離れてミンホの顔に飛んで行ったチョコレートケーキ。
こら、食べ物を粗末に扱うな。
「顔面ケーキ☆」
「おいテミナ!顔面ケーキは主人公がするものだろ!」
「え、突っ込むとこそこ?」
こいつら、馬鹿か。
顔面にケーキをぶつけられたのだから、少しくらい怒っても良いだろうにミンホは怒りもしない(馬鹿なことを言ってるだけだ)。
まったく、そうやってミンホもジョンヒョニヒョンもジンギヒョンもテミンを甘やかすから悪いんだよ。
まあ、テミンには僕の怖さは教えてあげてるから、僕に被害は飛んでこないんだけどね。
「そうだ、ジョンヒョニヒョンのとこに行かなきゃ!」
「ん、いってらっしゃい。」
はっ!、と思い付いたかのようにジョンヒョニヒョンのことを口に出すテミン。
そんなテミンを笑顔で見送るミンホを見ていると、なんだか本格的に呆れてきた。
僕は黙って風呂場に行き、ミンホのために買ったタオルをずぶ濡れにしてミンホとテミンの部屋に戻る。
そして不思議そうにするミンホに向かって、絞ることさえしなかったタオルをぶん投げてやった。
「ぶっ!」
「それで汚い顔を拭きなよ。」
べちゃ、と音がしてミンホの顔面にクリーンヒット(イケメンの顔に2度もものを投げ付けるのは多分、メンバーだけ)。
それで汚い顔を拭きなよ、と冷たく言えば、ミンホは大人しく言うことを訊いて顔をゴシゴシと拭いて綺麗にしていた。
でもまあ案外チョコレートが着いたミンホもソソられないこともない。
どうせテミンは僕とジョンヒョニヒョンの部屋でやましいことでもやるつもりなんだろうから、テミンとミンホの部屋で僕たちがナニをしようがなにも言えないはず。
顔だけを入念に拭くミンホをベッドの上に押し倒して、戸惑うミンホに激しく唇を重ね付けた。
あ、そう言えば忘れてた。
誕生日おめでとう、テミン。