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今日は我らがシャイニーのマンネ、テミンの誕生日。
昨日…いや、一昨日から変にそわそわしていたマンネも、今日を迎えて爆発したかのようにテンションがかなり上がっていた。
おい、少しは落ち着け。



「ヒョン、ヒョン。」

「んー?」

「今日はなんの日?なんの日?」



余程今日が嬉しいのか、とびきりの笑顔で訊ねてくるマンネのテミン。
今はメンバー各々が自室で過ごしているらしく、リビングには俺とテミンのふたりだけ。

ひどく嬉しそうにするテミンをからかいたくて、ちょっとだけ意地悪をしてみた。



「俺が初めて二足歩行をした日。」

「なにそれ!もう!違うでしょ!」

「えー、じゃあ、俺のヌナがピアノを習い始めた日か。」

「犯すよ。」

「ごめんなさいイテミン様のバースデーですごめんなさい。」



俺の、ちょっぴり意地悪、はテミンには通用しなかったらしく、俺が初めて二足歩行をした日とか、俺のヌナがピアノを習い始めた日だとか言ったら、何処から出してるのかも解らないような低い声で犯す、などと恐ろしい言葉を俺に向かって笑顔で言って来た。
犯されたらたまったものじゃない、と思い、慌ててテミンのバースデーなのだと言えば、テミンは満足そうに微笑む(悪魔め…)。

いつからこんなブラックなマンネになったんだか…。
いつぞやのヤジャタイムから、薄々は気付いていたけど。



「もう!解ってたんなら、最初から早く言ってよねー!」

「はいはい、悪かった悪かった。」



俺が誕生日を覚えていたからかなんなのか、嬉しそうにニコニコとしているテミンを見て、やっぱり末っ子らしくて可愛いな、と思う。
俺より当たり前に年下なマンネの、年相応な態度を久しぶりに見たような気がした。

まったく、俺がテミンの誕生日を忘れるはずがないだろう。
大切なメンバーの誕生日…恋人の誕生日を忘れてしまうほど、俺は淡白で非道な人間なんかじゃない。
それに俺はちゃんと覚えていたからこそ、テミンのベッド近くのテーブルにプレゼントも置いてきたんだからな(ふんっ)。

やれやれ、と思いながらテミンの反応を見ていると、ずいっと俺の前に手を出される。
これはいったい…?



「ヒョン、プレゼントは?」

「え、ベッド近くのテーブルに置いてただろ。チョコレートケーキ。」

「え、あれヒョンからだったの?子供騙しにミノヒョンが置いたのかと思って顔面ケーキさせちゃった。」

「なにしちゃってんだお前は!!」



一丁前にプレゼントの催促をして来たテミン。
プレゼントはベッド近くのテーブルに置いてきたチョコレートケーキだと言えば、テミンは、てへぺろ、とでも言いそうな勢いでミンホに顔面ケーキをして来た、なんて平然と言い放った。
…ミンホ、御愁傷様。

それにしてもこいつ、ちゃんと見なかったのか。
ケーキの近くにはちゃんとメッセージカードを置いて、そして俺の名前も入れていた、というのに。

まあ、なんにせよ(顔面ケーキを喰らったミンホには申し訳ないが)あれはダミーで、他にもちゃんと用意してはいる。
テミンのことだから、ケーキだけだと暴れると思ったから。
ダテに何年もこいつと同じグループとして、近くにいないよ。



「取り敢えず、プレゼントはヒョンをくれるんだよね?」

「は?いや、俺なにも言ってな」

「はい、じゃあヒョンをいただきまーっすー!」

「ちょ、おいコラ待てテミナ!!」



いつプレゼントを渡すかな、なんて考えていたとき、テミンの口から出たのは恐ろしい一言。
俺が、テミンの、プレゼント…?

いやいや、いくら恋人とは言え、そういうのは可愛らしい女の子がするからこそ意味がある。
こんなガタイが良くて(テミナより背は小さいけど)思いっきり男らしい男を、そんな風にプレゼントとしてもらってなにが嬉しい?

そう思ってテミンを止めようとは思ったけど、テミンの目はまさに本気そのもので。
ああ、これは止められないな、と悲しきかな早々に悟ってしまった。



「ヒョンたち、邪魔しないでね?」

「居たんかい!!」



テミンに横に抱かれて、ふざけるな降ろせ、と暴れていたらテミンが俺とは違う方向に顔を向けて、邪魔をするなと複数人の誰かに対して釘を刺していた(想像つくけど)。
くるっと俺もそっちを見れば明らかに風呂上がりかなにかのミンホと、引き攣った表情のキボム、それからただただニコニコと笑うだけのジンギヒョンが居た。
…居たんかい!!

おいコラテミナやめろ!、といくら言っても、大人しくしててねー?、と言われて取り合ってもらえない。
しかも部屋に到着するなり鍵をかけて、ベッドに押し倒して来た。

ああ、これはもう、諦めなきゃいけないみたいです。

悟りを開いたのが解ったのか、にんまりと笑うテミン。
そのあとのことは、まあ…、言うまでもなく解ると思う(むしろ解ってくれ…)。




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