誰かがリュカを呼ぶ声がした。

それにブタマスクも、それにクマトラやダスターも声のする方を向く。

何発も打ち込まれたビームがブタマスクに命中する。
それに思わず倒れこみ、リュカは解放される。


「PKファイアー!!」


始めは小さな稲光のような光がブタマスクに打ち込まれ、着弾すると火柱が立つ。
思わずブタマスクは火柱を消そうと喚きながら地面を転がる。


「大丈夫?危ないところだったね!」


そこには赤い帽子がトレードマークのネスがそこにいたのだ。
リュカはネスがとても大きく見えた。やっぱり自分のヒーローに思えた。

みんなの格好が凄く気になったけど今はそんなの気にして入られない。


「な、なんだお前らは…!」


流石にPKファイアーでは無理があったからさらに怒りを奮わせこちらに向かってくる。
それでもあの「ぼくのばしょ」を守っていたモンスターたちの方がよっぽど恐ろしく感じた。


「リュカ!ここは任せて!なんか急いでる感じがしたから…
 大丈夫、こんな戦いには慣れてるからさ!」


リュカにそう告げると、少し躊躇はしたが、ありがとうといった。
そして近くにいた豚のマスクを被った聞き覚えのある声も


「ありがとう!ネスとか言ったな?
 この借りはちゃんと返すからな!」


そういって近くにあった乗り物にリュカたちとともに乗り込んでいった。


「あっ!?俺のポークビーン!…きっさまぁ…よくもあいつらを逃がしてくれたな…!」


まるでいのししのようにネスに突撃してくる。
しかしそれはまるで見えてるかのようにあっさりとかわす。
バットで頭を殴ろうかと思ったがまずマスクで威力がだいぶ削られるから別の場所を狙う。

分厚い筋肉がある程度の衝撃を吸収してるのかはどうか定かではないが、あまり効いてない気もする。
ひるみもしないブタマスクはネスのバランスを崩そうと手を振り払う。
それが成功し、ネスは大事な武器のバットを手放してしまった。

その一瞬のうちに反撃を試みたが、近くにいたジェフにビームの攻撃に阻止される。
こんなたった二人のガキに…ともはや怒りの塊に変貌したが、ネスはそのあとにPKフラッシュをお見舞いし、
ふらついたところでバットを急いで拾い、足を狙う。

狙い通りにブタマスクの足を地に付けたあと、ネスは自分の必殺PKを放った。










「しめたもんだな。助けてもらったおまけにこんな乗り物をまたもらうなんてな!」
「しかし…あのネスって子達が心配だ。」


ハイウェイを駆けるポークビーンの中でクマトラとダスターが会話をしている。


「きっと大丈夫だって!おれと同じ力を使っていたし、なによりあの勇敢さだ!
 そう簡単に負けはしないさ!」


クマトラがそう信じている。でもリュカはそれでも心配だった。
あんな大きな身体をしていて、たった二人で挑んだ。
心配だけど、でも信じてる。


「おい、あのゴミ収集車では!?」


前に追っている車を見た。
収集車は目的について、ゴミ捨て場にごみを捨てていく。
そしてあのネンドじんも力なく落ちた。
すでにあの雷の力は切れている。


…ように見えた。



ダスターとクマトラが降りて大事なタマゴを探そうとしているところでネンドじんに殴られる。


「ッ…こいつ…まだ…!」


クマトラはすぐに体制を戻し、PKフリーズを試みる。
多少効いてるものの、生半可な攻撃の数じゃ倒せない。
追い討ちをとリュカとボニーが突撃し、棒で殴り、ボニーは噛み付き、
そのあとにダスターが大きなホチキスのような道具、カベホチを使う。
だけどクマトラのPKフリーズはともかく、リュカたちの攻撃があまり効いてない。

ほとんどの攻撃がごみによって守られていたのだ。
しかしはがしてもはがしてもまた周りからごみを集めだしてきりがない。

ここはやはりクマトラの力に頼るしか方法がないのだろうか?


「リュカ!ダスター!オレがあいつのごみを引き剥がすから攻撃を!!」


二人に指示を出すとクマトラはいくつものPKファイアーを打ち込みごみをはがす。
それと同時に多少のダメージを蓄積させておく。
ダスターの得意の蹴りを入れて、リュカは渾身の力で殴りつけ、これでもかとボニーはかみつく。

流石におとなしくなったかと様子を見るが、ネンドじんはゆっくりと起き上がる。
そうしてまたごみを身体に貼り付ける。


「なんてタフなやつだ…あんなに殴りつけたのに…」


クマトラがため息をつく。あの作戦もなかなか効いたが、クマトラのPSIが持たない。
今度はリュカが棒でごみをはがしにかかる。
攻撃を上手に避けて、いくつもの箇所のごみをはがす。


「ダスターさん!このネンドじんをカベホチで押さえて下さい!」


リュカの指示にダスターは狙いに迷いなくカベホチを投げてネンドじんを押さえた。
そしてリュカは大きく息を吸って、全神経を集中させる。
力を最大に搾り出してPK LOVEを相手にぶつけた。

光が消えるときにクマトラが前に踊り出てリュカ同様に力を最大にしてPKフリーズを試みた。
ネンドじんはもうすでに形を残してなかった。
そこには光り輝くタマゴの姿が。


「これをオレたちが持っていればもうブタマスク共に盗られることなんてないだろうな。」


ハミングバードのタマゴは白く輝いてる。
そのタマゴを手にした瞬間、ダスターになにやら電流が走った感覚がした。
どうやら自分がダスターだってことをしっかりと思い出したのだ。

ダスターたちが歓喜の声を上げていると、モーター音が聞こえた。
ゴミ捨て場のところに、ポークビーンが停まっていた。


「しきかんどの!何遊んでいるんですか!?直通でイカヅチタワーまで参ります!」


中からブタマスクが現れ、なにやら必死に伝える。
イカヅチタワー?もしかしてタツマイリに雷を落としているのはもしかして…








「もうくたくただよ…」


あの強面のブタマスクを倒した後にリュカたちのあとを追おうとしたがどこに行ったかも分からないうえに広いハイウェイだ。
これじゃ見つかるはずもない。


「迂闊にスカイウォーカーなんて使ってたらブタマスクたちに怪しまれるし…でも歩くとなればなぁ…」


広いうえに妙に暑い。
あのドコドコ砂漠を思い起こせる暑さだった。


「ここは昔砂漠だったのかな…」


ちょうど見つけた日陰で休憩してるとジェフは砂に触れて思う。
まあ砂漠化が進むよりかはこう近代化していたほうがまだ環境には良いかもしれないしそうでもないかもしれない。


「それにしてもリュカたちはどこまで行ったんだろうね。大事な探し物…見つかったかな…」


ネスは額の汗を拭ってつぶやく。
この暑さにだいぶ参って水でも欲しいくらい。
もうタツマイリに戻りたいけど目的は達成していない。
あの塔を調べなきゃならないし。

高く聳え立つその塔は遠い。
見えていても進入できないもどかしさがある。
ひたすらハイウェイをさまようしかないのだろうか…













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