こんなことがあるなら、ネスに着いて来てもらえばよかった。


なんて後悔したのは何回目だろう。
いくらヤネウラを通っていくしか方法がないとは言え、こんなにモンスターがいるなんてよくこのクラブは耐えれるものだ。
耐えられるのが不思議なくらい。

でもこんなところで負けなんてしない。
ネスが戦っていた通りにやってみればきっと自分にだってきっとできるに違いない。
それにPSIだって使える。傷を癒す事だってできる。自分しか使えない大きな力だって持っている。

なんて思っているけど、なかなか上手くいかずに怪我したりして、PSIを使っての繰り返し。


「ネスさん…心配してるかな…」
「クゥーン…」


リュカはボニーに語ると悲しげに鳴く。
ボニーもリュカを守らなきゃと必死なんだ。


「そうだよ。くじけちゃダメだ。ネスさんだって待ってるし、クマトラも待ってるし…早くダスターさんを連れ戻さないとね!」


リュカはすくっとと立ち上がって自分に元気付ける。
気合十分に入れると、張り切って歩き出す。

いろいろと入り組んだ通路を越えると、床から光が見える。
あれがダスターの部屋だ!と向こう見ずに進む。
しかしそこには大きな敵が立ちふさがっていて、しかもリュカを睨んだ。
リュカはひっと喉を鳴らし、相手の睨みに怯んだ。

もう少しでここを抜けるのにともどかしさを噛み締めて自分の武器を握る。
そこの意思と表情を持つベースを相手にしなければと固唾を呑む。
自分は捨てられたと思い込んで、嫉妬に狂っていた。同じ思いを持ったほかの楽器、ギターとドラムも加わる。

負けてはいけないと、そして一刻も早く事を済ませないと…


ベースとギターとドラムのコンビネーション抜群の攻撃が幾度も食らう。
時々ふらっと足をすくわれることもしばしば。
倒れてしまわないようにと急いで回復を図り、体制を整える。
親玉のベースを何とかする前に、アシストをするように攻撃してくるギターとベースが非常に厄介とリュカは考え、
上手くボニーと連携を取ってまずはギターに攻撃を図る。
ギターを助けようとドラムが援護に躍り出て、リュカに突進を仕掛ける。
しかしリュカはそれに気づき、突進を回避するとギターと衝突してそのまま二つは動かなくなった。

嫉妬に狂ったベースは、仲間がやられたことによって怒りを露にした。
これほどの威圧感はない。恐怖を味わいながら、強烈なダメージを覚悟しながら、敗北を覚悟しながら相手を見つめる。


ーみんなが心配してる…みんな待ってるんだ…クマトラも…ダスターさんも…そしてネスさんも!ー


自分ならきっとできるんだ。あきらめたらいけない。自分には自分の力がある。
一瞬頭が軽くなった気がした。何かに導き出されるように、心の錘が取れるように。
今なら最大限の力を発揮できそうで、自分のあの時の力をイメージした。

嫉妬に狂ったベースはこれでもかというくらいの力で攻撃を繰り出した。
でもリュカはそこで力を解き放った。
眩しい青白い閃光。ベースを打ちつけ、包み込むように閃光は消えていく。
そしてベースは元の古びたベースに戻り、横たわっていた。

なんだったんだろう…今のは…と不思議に思って、自分を見直している。あんな力があるなんて思ってもいなかった。
あんな上手くコントロールできるなんて思ってもいなかった。


その先に待っていた床からの光に飛び込み、求める場所へとたどり着いた。
すでにクマトラはそこに待っていて、ダスターもそのライヴのメンバーも待っていた。
事情は全てクマトラが話したらしく、メンバーも状況を理解していた。
しかし、ダスターがいなくなればこのメンバーはやっていけない。それをしっかりと承知してくれたのだろうか…

ダスターを連れ出すにはジャンケスでメンバーに勝ち続けなければならなかった。
それを条件にしなければ、ダスターを連れ出せないからだ。

リュカはそれを理解し、まずは一人目に勝負を挑んだ。
二人の掛け声と同時にジャンケスをする。奇跡的に運良く勝つことができた。

二人目に勝負を挑もうとしたとき、最初に勝負した人がなぜかヒントをくれた。
そのヒントを参考にするとあっけなく勝利したのだ。
メンバーはダスターを連れ出すためにわざとやっているのだろうか?
だが事は早く済ませなければならない。
ネスを待たせてる。だから早く…















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