シャニクロ やや腐向け
仲良くソファで寝て欲しいぜ
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今日こそ楽にシューティングを楽しみたいのに…なんてクロトはため息を吐く。
彼はソファに座って大好きなシューティングゲームを楽しみたいのだ。

なのにいつもどおりにシャニが寝そべってソファを占拠していた。
普段アイマスクとイヤホンをして音楽を聴き外の世界から全てを遮断しているが、身体を揺さぶられたり叩かれたりすればこちらに戻る。


「なんだよ…」


いいところだったのに…と渋々とアイマスクとイヤホンを外す。


「なぁ!そこ一人でつかってないでどけよ!」


クロトは乱暴にシャニをどかそうとするが一向に動こうとはしない。


「なんだよ、お前いつもオルガのとこ座ってるだろ!」


シャニはそう抵抗しつつオルガの元に目を向ける。
普段は読書に夢中になっているが、今回は珍しく、シャニと同じようにソファに寝そべっている。


「…だからといってなんでこっち来るの…」
「だぁって珍しく寝てるじゃん?だから普段寝てるお前のとこ来たの!いいだろ!?いつもそのソファ使ってるんだから!」


シャニを引っ張り起こそうと目いっぱい力を入れる。
だけど逆にその腕を引っ張る。


「うわっ!」
「なぁクロト、どうしてオルガはよくて俺はだめなの?」


いつも無気力な感じで、こういうときは怒っているのかわからない。
その訴えにクロトは言葉が詰まる。


「じゃあおれがめずらしく違うことしたら、クロトは何かしてくれる?」
「ぅ…わ、わかったよ!だからその腕放せよ!」
「…クロトが掴んだくせに…」


しばらく無言と静止の攻防が続く。
しかしシャニは足を曲げて一人座れる分のスペースを作った。


「ほら、座りなよ」


そんなシャニに戸惑いを見せる。普段はこんな事しない。
今日のシャニはなんか違うと思いつつもそのスペースに座ることにした。


「…なんかやさしいじゃん…」


さっきはわからなかったけど今はシャニから優しさを感じる。でもそれが怖い。
あとで何されるか分からないし…


「そのかわり…」


といい、クロトの両膝の上にシャニは両足を乗せ、完全にリラックス状態になった。


「あぁ!?なんだよ!?」
「せっかく座らせてあげたんだからこのくらいやってもらったっていいだろ?
 いやならどかしちゃうぜ?そこに座ってやりたいんだろ?」


クロトは言葉が出ない。シャニの言いなりになるのが何だか悔しい。
だけどやるしかない。どうせこいつは寝てるだろうし、ゲームしていれば気にならない。
そうしてシャニの気の済むまで耐えればいい話。
ちょっぴり優越感に浸ったシャニはそのままアイマスクをつけて音楽を聴きながら眠った。




何か気になる重さを感じたシャニはいらつきを感じつつアイマスクを外す。
クロトは半身をシャニの身体の上に乗せてすやすやとねむっている。
人を枕にして…とどけようとするにもこのままじゃクロトを床に落としかねない。
なんだか暖かい感じもするものだからそっとしておく。
そうやって気持ちよく寝ているというのに片手にはゲーム機をしっかりと握っている。


「…俺なんかより、そっちの方がすきなんだね…オレはこうやってクロトに優しくしているつもりなのに…」


なんかクロトが愛しく見えて、弟みたいで、だからクロトの心を自分に向けたい。
でもそれはもう強化人間との造りとして、変えられないのかな、できないのかな…
それでも少しずつ変えてやろう。自分のものに。
なんて考えているうちに、シャニもすやすやと眠ってしまったんだ。








再び目が覚めたとき、クロトは起きてまたゲームをしていた。
そしてクロトの赤いシャツがよく目に映える。
温もりが残るクロトの軍服がシャニの身体を覆っていた。


「おはようさん。珍しいじゃん?アイマスクなしで寝るなんてさ。」


相変わらずゲームをしてこちらに目を向けない。
それなのに、クロトの心が動いた感じがした。

「起きたんなら上着返せよな。まぁ寝てて風邪引いたらオッサンもうるさいからかけてやったけど。
その…重かっただろ?」


いつものクロトとなんか違う。
なんか気持ちを隠しているようなそんな言い方。


「別にいいよ…暖かかったし。」


シャニはクスリと微笑む。クロトが一瞬赤面して慌てる姿を見逃しはしなかった。
確信したのだ。クロトの心は奪ったと。














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