コーヒーから派生してこうなった
リュカ中心 シリアス?
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人と子供の境目









「ねぇネス、何飲んでるの?」
「ん?コーヒーだよ」


白いカップの中には対照的な色の飲み物、ブラックコーヒーがなみなみと注いである。
あまり見たことないリュカには毒なんじゃないか!?と表情をこわばらせる。


「…おいしいの??」


コレを普通に飲んでるからおいしいのだろうとは薄々思っている。
しかし色がそれを裏切った。
だけどコーヒーのだろうと思わせる香ばしい香りが立ち込めてた。


「凄い色だけどおいしいよ?」


そういってネスはカップを差し出す。
おいしいというのならば飲んでみる価値はあるんだからとリュカはカップを受け取った。
湯気が立ち込めて、さっきよりもいい香りがする。そしてカップがちょうどいい熱さをもっていた。
早速一口飲んでみる。


「!」


コーヒーの独特の苦味が口いっぱいに広がる。
どうもこの苦味がリュカには理解ができない。
渋い顔をしてるのがネスにはかわいく見えた。


「苦かった?」
「うえっ…ネス…よくこんな苦いの飲めるね…」
「このコーヒーは大人の味だもん!だからぼくは大人だもん!」


だがリュカはそのことに疑問を持った。
こんな苦い飲み物、大人だって苦手な人いるんじゃないかな…
それをネスに伝えてみた。


「え…?コーヒーが苦手な大人は大人なのかって…?」


そう聞くとネスは黙り込んでしばらく黙り込んでしまった。
じゃあどうすれば大人なのかって?それは大人の人たちに聞いてみなきゃ。











「コーヒー?もちろん好きだけど?」


最初の質問相手はリンク。
いきなりの質問でちょっと首をかしげた。


「あ、でもミルク入れて砂糖を淹れたりして飲むのもいいかな。」


でもなんでいきなり?とリンクは続ける。


「あのね、ネスが『コーヒーを飲める人は大人』って言うんだ。」


リュカが説明する。リンクにとっては何とも言いがたい質問だが…
リンクは何かいい説明がないかとしばらく考える。


「そうだな…ネスやリュカってさ、困ったときとか大人に頼らないか?」


確かにお腹すいたときとか、誰かとケンカして甘えたくなったときとか、そういう時は大人というよりか両親?


「困ったときに頼れるのは大人なのかもしれないな。
 だからといってコーヒーが飲めるからって大人になるとは限らない。
 だってそうだからといって頼りにされるかい?」


リンクの言うことはなにかと正しいかもしれない。
そうなってしまうとどうすれば大人になれるのだろうとリュカはそう考え込んでしまった。





次の質問相手はアイク。
まずはコーヒーの質問をする。


「コーヒー?まぁ飲めなくもないがあまり好んでは飲まないな…」


そういや随分とコーヒーを飲んでいないなと空を仰ぐ。


「それがどうかしたのか?」


アイクが説明するとリュカは答える。
するとアイクは答えに行き詰まり、難しい顔をした。


「まぁもちろんリンクが言っている通り、コーヒーが飲めるからといって大人になるとは限らないな…
 だけどどうしたら大人になれるのかって…?俺に難しい質問を…」


今からでも頭がパンクしそうでアイクは頭を掻いて考え込んだ。
だけどリュカはまだ子供に位置するから自分が答えを…
そうは行かなくてもその答えに導き出せるようなヒントを与えてやらねばと必死だった。


「…アイク兄ちゃん…そんな無理に答えなくてもいいよぉ…」


リュカはそんな姿のアイクを見てすごい謝罪の気持ちでいっぱいになった。


「いや、答えてやらなきゃなと思って…もしかしたら気づいたら大人になっていたのかもしれないな…
 ほら、心の成長ってやつかもな。」
「心の成長?」
「なにかとてつもなく苦しいことがあった、悲しいことがあった、どうすればいいか分からない。
 そんな事がリュカにたくさんあっただろう?」


特にリュカの心の傷を引っ掻こうといているわけではない。
だけど試している。


「その困難をいくつも乗り越えてそれでも決して心が折れない、信念を貫ける。
 そうして心が強くなれば、大人だったりしてな。」






アイクに答えのようなヒントのような言葉を聞いてもリュカはまだなにか引っかかってる。
ちゃんとした『大人』になるための答えが欲しいのだ。


「あれぇ?リュカ、どうしたの?そんな難しい顔をして…」


顔を上げたらマルスがそこにいた。
そうだ、今度はマルスに聞いてみようと質問をぶつけた。


「ふふっ、なかなかネスらしいことだね…」


マルスはそれを聞いてくすくす笑う。
けどいまはそれが本題ではない。リュカはさらに続ける。


「…そうだね…確かにリンクの言うとおりそうとは限らない。
 そしてアイクの言ってる通り、いつの間にか大人になってるかもしれないし、
 本当の答えを出すのには難しいよね。」


だけどさっきの二人とは違う。マルスはすぐ答えを出す。


「僕もどうしたら大人になれるかってわからないよ。
 でも、これは心の成長かもしれないし、何かができるって事も限らない。
 きっとアイクの答え…いつの間にか大人になってるのかもしれないしね。」


マルスの答えもはっきりしていなかった。
もしかしたら大人の人にだってわからない?
じゃあ本当の答えは?


「だけどね、リュカ、結局のところ大人になる方法とか、こうしたら大人だって、そう思ってる時点でまだ子供なんだよ。
 コーヒーが飲めるからって大人、そしてどうしたら大人になれるかって、そう憧れる子供だからなんだよ…きっと。」


そうか、大人に憧れるから子供…結局大人になれるのは子供しかいないのだから…それは人間の摂理なのかもしれないけど…


「だから、今はそんなこと考えない。
 それに、大人になったらもう子供には戻れないから、リュカは、今を存分に楽しむんだよ?」


マルスはにっこりしてリュカの頭をなでた。
本当の答え…結局なんだかはっきりしてないけどそう思い込むのは子供の発想ってことかな?
だからその事、ネスに教えなきゃ!








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