なんて警戒したのも相手はたいしたこと無かった。
何体か仲間を呼んだものの、ネスにとってはあっさりと退治できるくらい。
ただリュカに少し被害が行ったものの、リュカは目覚めたPSIの力で治してみようと試みてる。
治さなきゃという意思が強く届いたのか、リュカに出来た傷は癒えて跡形も無い。
「で、できた!」
自分でもびっくりだったらしく、すごく大喜びしていた。
ネスだって初めて何かが出来たときはすごく嬉しかった記憶がある。
だからなんとなく嬉しいのがわかる。
作業服を着た人たちが何人もコーバを行ったりきたりしている。
リュカ曰く、あの人たちは自分の住むタツマイリ村の人たちらしい。
お金が欲しいから、幸せが欲しいからここで一生懸命働いている。
昔はそんなことしなくてもよかった。
村の人たちが協力していろいろ分け合ったりしてみんなを助け合ったりしたんだと彼は語った。
コーバの先にあるロープウェイを発見した。
それに乗ってクラブ・チチブーへと行くのだが、どうやらコーバで働いてロープウェイのチケットをもらわなければならないことを知った。
仕方ないから協力しようとコーバへ後戻り。
ネスはもともとそれが当たり前の時代と場所にいたからコレくらいは当たり前だと心で悟る。
でもリュカにとってはどんな気持ちなんだろう…
青いブタマスクの人を見た。
どうやら仕事熱心な人が大好きらしく、一言言っただけで快く働くことを承諾してくれた。
いったいこの時代はどんな仕事をするのだろうと思っていた。
ただエネルギーが尽きたネンドじんを運ぶだけだと教わる。
もちろんボニーにネンドじんを運ぶ仕事なんて出来ないから別のお仕事らしい。
エレベーターを降り、目の前に広がったのはまるで炭鉱のような場所。
いろんなところに穴が開いている。
そこでは何匹ものネンドじんが仕事をしているのだ。
「よし、リュカの探している人に会うためにがんばらなきゃね!」
「うん…」
なにやらリュカは落ち込み気味だ。
「どうしたの?」
「いや…こんなことにネスさんを巻き込むなんて…って思っちゃって…」
「気にすること無いよ。僕だって友達のために戦って、助けたりしたんだから、これくらいどうってことないさ!
それにリュカは友達だもの!」
そうやってリュカに笑顔を見せればリュカはありがとうといって一緒に笑う。
こんなことしている場合じゃないや。
早く仕事を終わらせないと。
「よーし!今日の仕事は終わり!ごくろうさま!」
仕事場にブタマスクの声が響く。
重たいネンドじん運びにネスもリュカもへとへとだ。
「つ、疲れたね…」
「みんなこんな思いまでして幸せになりたいのかな…」
リュカのその発言にひっかかった。
本来現実はそこまでして幸せになりたいもの。
何もしなくて幸せなんてせいぜい裕福なお金持ちに生まれた人くらいだ。
でもそれくらいリュカのいる世界はそれほど豊かなのだろう。
青いブタマスクの人から、ロープウェイに乗るためのチケットをもらった。
それに乗っていざ、クラブ・チチブーへと向かった。