森を出てそこで目にしたものは、一つの村だった。
文化が進んでいないわけでもない。
きちんと道路は整備され、立派な民家。
さらに見渡せば自分らの時代には見当たらなかった鉄道がある。
さほど遠い時代ではなさそうだ。


「遠い未来でも過去でもなさそうだね。」


初めてみるこの地を見回しながらあっけにとられる。
ただ単に博士は別の時代でもなく、訪れたことの無い場所に連れられたかもしれない。
でももう野望が阻止されたこの時代で何をやるのだろう…
だからこの時代にはいないのか、それともやっぱし時代は違うのか、ネスにもジェフにもわからなかった。


「こっちです。」


少年は自分の家へと二人を案内した。

木造立ての家屋のそばに家畜小屋と思われる小屋があったが、火事があったのか焼け焦げていた。
一体何があったのか気になって仕方なく、ジェフは尋ねる。


「あの…コレは一体…?」
「そ、それは…雷が落ちたんです。」


少年は悲しげに話す。聞いてはいけなかったのだろうか…
でもこんな開発が進んだ時代なのに雷なんて落ちるものだろうか…
普通なら避雷針とか取り付けるものなのに…







少年の家へ入り、少年はなにやら探している。
どうやらネスとジェフに出すお茶を探していたようだ。


「う〜ん…ジャナイカティーがない…」
「あ…いいよ…そこまでしなくても大丈夫だよ。」


そこまでしてもらうなんて…と二人は遠慮する。
そんなことよりもこの時代になにが起きているか、そして博士がココにいること。


「あの…ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな。」


ジェフの呼びかけに少年は答える。


「なんか…変わったこと…あるかな?」


こんなことを聞けば、彼にこの人たちはどんなところからやってきたのだろうと思われる。
だけど知っておきたい。
きっとここに博士がいるかもしれない。


「かわったこと…?…この村かな…」


彼の発言は普通に聞こえないことも無い。
ジェフは質問を続けた。


「この村って…どう変わったの?昔よりにぎやかになったとか?」
「ううん…昔はみんな優しくて自然がいっぱいって言うか…なんか平和かな…」


少年の答えがどうも引っかかる。
今が妙な世界なのだろうか…


話を聞いてどんな風に変わったかわかった。
話の中に出てきたブタマスクの話を聞いてもしかしてと疑い始める。






「もしかしてポーキーがこの時代にいるのかもね…」


少年の家の外にて、ネスとジェフが会話する。


「悪を知らないこの時代にやってきて少しづつ変えようとしているんだ。
 今のうちに探し出して止めなくちゃ大変だよ…」


ジェフはガイアビームを握り締める。
また戦わなくてはいけないのだと。
そんなところで一息をつくように何かを思い出す。
どこかへ行くところをネスが止める。


「あれ?ジェフ、どこ行くの?」
「いや、ちょっとね。森においてきたスカイウォーカーが気になってね。」


森は危険かもしれない。
少年が話していた奴より危険な奴がいるかも知れない。
だからネスがついていって行こうとしたけどジェフは大丈夫。僕はもう弱虫じゃないとそのまま森に向かった。


「あ、さっきの人は…?」


家から少年が現れる。
ネスは森に行ったけどと返す。
少年もネスと同じく心配だった。
でもジェフは大丈夫だからと少年を安心させる。


「…ところで名前、聞いてないね。僕はネスって言うんだ。」


ネスはニコッとしながら握手をしようと名前を問いだす。


「僕はリュカって言います。よろしく、ネスさん。」
「ネスさんなんて…ネスでいいよ?」


お互い握手をする。
でもリュカは内気なところもあるのだろうか、まだうまくなじめない。
それでもリュカは友達が増えてうれしかったのだ。







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