ジェフのことが気がかりになったから森へと歩いた。
森の奇妙なモンスターたちに襲われないようにと慎重に歩く。
襲われても本来はなんともないけどできるだけ戦いたくは無いのだ。
広い森だけどやはり昔から人が住んでいるのか、ちゃんと人が通れるように施されている。
よほどのことが無い限り道になんて迷いそうに無い。


「あ、いた。ジェフー!」


なんて声を掛けたらジェフは驚いたらしく大声を張り上げてひっくり返ってしまった。
臆病なのは知ってるけどそんなに驚かれるなんて心外かな。


「な、なんだぁ…ネスじゃないか…驚かさないでくれよ…」
「ごめんごめん、ちょっと心配しただけ。スカイウォーカーの調子はどう?」
「ちょっと調子がよくないみたいなんだ…タイムスリップしたときになんらかの衝撃でどこかいかれたみたいだ。」
「…帰れるかなぁ…」
「もちろんその心配もあるけど…でも博士を探してポーキーを止めるまで…それまでにはなんとか修理してみせる。」


ずいぶんと自信満々だった。
機械のことは勉強以上ににわからないネスだからここはジェフに任せることにした。



再び村に戻るとなにやら演説を行っていた。
豚の仮面を被った人と、白い軍服的なものを身にまとうひげを生やした男が演説をしているようだ。
あれらがブタマスクという輩なのだろうか…
その先の道に、リュカとあの茶色の犬が歩いていくのが見えた。
どこへ行くのだろうとネスも後を追う。


「リュカ!」


ネスの強い呼びかけにリュカは反応する。なにやら思いつめたような…そんな表情をしていた。


「あ、ネスさん…どこ行ってたんです?」
「ちょっとね、森に行ったジェフの様子を見に行ってね。」
「森に?大丈夫だったんですか?」
「一応ね…僕らはそういうのに慣れてるから。」
「じゃあネスさんはあの森にいるキマイラたちも平気なんですか?」
「キマイラ?もしかしてあの奇妙な生物?」
「そうです。ブタマスクたちはキマイラと呼んでるんです。
 だから僕たちもキマイラと呼んでるんですけどね…」
「そう…そんなことより…どこ行くの?」


まだこの村のこともよく知らないネスは辺りを見回しながら尋ねた。


「これからトンネルの向こうに行こうとするんです。」
「トンネルの向こう?何しに?」
「実は探している人がいて…その人を探しに行くんです。」
「探している人?それは君のお兄さん?」
「いえ…違うんです。もっと別の人です…昔ここに住んでいた優しいドロボーを探しに…」


優しいドロボー?と首をかしげる。
ドロボーなんて悪いやつしかいないじゃないかと思った。
でもこの平和『だった』この村には悪なんてなさそうだし、だから優しいドロボーなのだろうか。

そこで気づいたのだがこのトンネルには線路が引いてある。
それに右手側にはトンネル。左手側には駅がある。
電車に乗っていかないのだろうか…


「ねぇ、どうして電車に乗らないの?」
「あ、DPが必要なんです。」
「DP?」
「それを使って食べ物とか電車に乗ったりとかするんですけど…僕じゃDP足りないんです…」


なるほど、DPと言うのはこの時代のドルみたいなものかとネスは理解した。
でも電車に乗るのにDPが足りないんじゃ仕方ない…


「ちなみにいくつのDPが必要なの?」
「僕だったらコーバで働いていないので2500DPでしょうか…」


DPがどういった仕組みかはわからないけど2500と聞いただけでそうとうな額じゃ…とネスは驚愕する。
それにこのトンネル、道がそうとう深い。


「それなら僕がついていってあげるよ。」


ネスがそういうとリュカは歓喜する。
奥を見たとき、あの奇妙な生物を見たから、それに森でリュカが倒れていたから…
少しでも力になれそうだからとバットを握る。


「ネスさんがついて行ってくれるからあんしんだね!ボニー!」


ボニーと呼ばれた茶色い飼い犬は呼びかけに答えてわん!と強く吠える。
そしてそのトンネルへと向かった。








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