風属性組(風+半+松)
ほのぼのを目指してみた
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「そうだね〜しんちゃんってのはどう?」
休み時間の廊下にて、マックスがそう提案した。
半田のことをどう呼ぼうか考えていたらしい。
「しんちゃんか…なんかむずむずするな…」
「そうでなかったら中途半田にしちゃうよ?」
「えぇ!?俺は中途半端なんかじゃない!」
そこでちょうど教室に戻ろうとする風丸が通りかかり、そこをマックスが止めた。
「ねーねー風丸、半田のいいニックネームない?」
「に、ニックネーム?そうだな…」
突然そんなことを言われても…なんて表情をしたがすぐに考えた。
「か、風丸、別に無理して考えなくていいから…」
「うん、やっぱしんちゃんがいちばんしっくりくるかもな。」
なんてにっこり笑えば、マックスも同じように笑って言う。
「ほらー!やっぱりしんちゃんが一番だから今度からしんちゃんね!」
「…っ…!もう!その呼び方やめろって!」
なぜか顔を赤くする半田に、風丸もマックスも笑みを浮かべるだけ。
そこで風丸が半田の肩をたたいた。
「と言うわけで今度からよろしくな!しんちゃん!」
「…っ〜!」
二人の発言で半田はただ流されるだけ。でもなんだか嬉しい気もして複雑。
「よし!こうなったらお前らのあだ名も考えてやる!」
なんて気合十分に叫ぶものの、すでにマックスに至っては「マックス」っていうあだ名がついている。
となれば半田のターゲットはもちろん…
「よーし、風丸のあだ名は何がいいかな…」
風丸を見つめながら半田はにっこりと微笑んだ。風丸はそんな半田の笑みを見たことが無くて少々焦りを覚えた。
「い、いや…俺のあだ名なんて…」
「だーめ。マックスと一緒に考えたものだから風丸も同罪だからな!」
そ、そんなぁ…とうなだれる風丸はマックスに助けを求めようとしたがマックスはなぜか逃げ出してしまった。
「あぁ!?ちょっ…マックス!待てよ!」
裏切られたというかわざと風丸にあだ名を付けて欲しかったのだろうか?
そうであれば当然マックスも参戦すべきなのではあるかとは思うが…
「なんてな…なんも思い浮かばないや。」
さっきの何かたくらんでいたあの笑みとは打って変わってにっこりと優しく笑っていた。
そんな風丸もほっと胸を撫で下ろした。
半田も教室の入り口へと向かい、
「さぁ、授業始まるよ?『いっちゃん』。」
それはもう満面の笑みで言い放ち、それに風丸は思わず固まってしまった。
一郎太だから『いっちゃん』
「ふっと思い浮かんだんだ!ってな訳でこんどからいっちゃんな!」
なんか違和感を感じるがそれがなんだか親しみを感じたみたい。
本当に友達になれたような、そんな気がして。
「あぁ、わかってるさ、しんちゃん!」