リュカネス
ほのぼのなのだろうか?
びえる注意!
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覚えているよ、その温もり
「ネスのほっぺってやわらかいよね。」
リュカの全ての指の腹がネスのほっぺを包み込む。
もちろんその言葉は心外なものでネスは驚きを隠せない。
隠せるのなら、今まで何があったのかって話。
「ちょっ…」
そういうのはふつう家族とか兄弟とかならそれなりのスキンシップだから何とも思わないけど、相手は家族でも兄弟でもなんでもない。友達だ。
「いてて…」
リュカの行為はつついたり痛くない程度につまんだりしているけどそれがだんだん強くなっていくような…
しかしそんなに触り心地のよい頬をしてるだろうか?
お返しと言わんばかりにネスはリュカの頬を包み込む。
リュカの頬もやわらかい。
もしかして自分と同じ感触ではないのか?
「リュカもやわらかいよ。」
先ほどリュカがやっていたように、その感触を確かめる。
ずっとそれを繰り返していたら、お互いがお互いの頬を触りあっていることに、
ネスはようやく気づく。
傍から見ればそれは人間関係的な構図に見えなくもないからだ。
顔が羞恥で少しだけ暑いのがわかる。
「もう…なに赤くなってんの?キスなんてしないよ?」
「なっ!なにいってるの!!」
どうもテンパってしまい、向こうのペースに振り回されっぱなし。
リュカってそんな感じの子だったっけ…?っておもいつつ、手を離した。
少し驚きを見せながらそっぽ向いた。
リュカのあんな発言で、なんか恥ずかしくて目が合わせられない。
もちろん彼は冗談で言ったつもりなのだろうけど…
そうこう考えているうちに、眠たくなってきた。
なにせ今はお昼を済ませて眠たい時間。
それに雲ひとつない申し分のない天気だから、それが上乗せされる。日向ぼっこにはもってこいだ。
外にもいるにも関わらず、こんなやり取りが周りに見られてないのが不幸中の幸いとでも言っておいたほうがいいのか…。
「眠いね…」
「眠いの?じゃあ僕も寝る。」
ネスが横たわれば、追うようにリュカも横たわる。
そしてリュカはネスに寄り添う。
なんだか人肌が恋しいと言うか…誰かに甘えたいと言うか…
二人の温もりが絡むと同時に、お互いにどこか懐かしいものを感じさせるようだった。
あの時のこと…思い出しそうだけど…今はネスがいるから、リュカがいるからって…
ネスがすでに寝息をすぅすぅと立てて眠っていた。
それがなんだか愛しく見えた。
「大好き…」
誰も見ていない、二人きりの時間…
止まってしまえばいいと願いながらネスの額にキスを落とした。
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