ネスリュカ
この二人の出会いを書いてみた。
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Psi使いのきみとぼく
ネスとリュカが出会ったあの日を思い出してみた。
ヒーローのようにリュカを助けてくれたネス。
でもリュカは彼を知っていた。
『ニューポークシティ』の映画館で、ポーキーの一押しの映画で、ネスとその仲間達の冒険が上映されていて、
世界を救うために、八つのパワースポットを巡り、ギーグを倒す。広い広い世界を旅して…。
かっこいいな…ってひそかに憧れてた。
ポーキーの友達とか言ってたから、ネスも悪い人なのかななんて思ってた。
でもリュカのもとに現れたとき、そんな予想を裏切った。
リュカを庇ってフィギュアにされて、何も出来ずにリュカは逃げ出して…
どうしてまた守れなかったのか…とずっと心の中で後悔し続けて…
だから恩返しと言わんばかりに、ネスを助けたかったのに…
亜空間を探しても、ネスの姿がなかった。
「…もう…会えないの…?」
って、リュカは泣きそうだった。だって、水色の人間のようなヤツが、綺麗な羽をはためかせ、強力な波動が、リュカ達を襲って、フィギュアにした…。
暗く、妖しく光る空…そこに眩しい光が降り注ぐ。
「…?」
どうしたものか、リュカは完全に元に戻った…誰がリュカを元通りにしたのか…
そこには、リュカの会いたかった、ネスがいたんだ…
「あ…」
「よかった。また会えたね。」
リュカが助けたかったのにと言う悔しさと、ネスに会えた嬉しさが、混ざりあって、リュカは涙を流して…ネスに抱き着いた。
「ぅぐっ、ぅう、ふぇえ〜ん!」
大声で泣いた。
「泣かないの。せっかくまた会えたんだから…」
「だって…僕が……助けたかったのに…なのに…」
やっぱり、ネスはリュカのヒーローのような人だった。
夕日の映える海辺で、ネスとリュカは二人で歩く。
「…名前…聞いてないね。」
リュカはネスを知っていても、ネスはリュカを知らない。
「…僕はあなたの事知ってる。ネスって言うんでしょ?」
「へ?どうして知ってるの?」
「ネス…さんに憧れてたし…ネスさんの事…見た事ありますから…」
どこで見たんだろうとネスは思い込む。
でもきっとどこかで会ったのかも知れない。
「ネスでいいよ。なんか照れちゃうし…
せっかく友達になれたんだから、堅くならないの。だからよろしくね!え〜と…」
「リュカって…言うの。」
あの戦いを経て、リュカはネスと言う友達が出来た。
「リュカ。」
ネスは手を差し延べる。リュカはそれをしばらく見つめてからネスの手を握り、握手を交わした。
「ずっと友達だからね。リュカ。」
「うん!」
するとネスかリュカのどちらかの腹の虫が鳴いた。
「…?」
「あはは…戦いでお腹すいたみたい…。」
リュカが照れ隠しに笑う。するとネスの腹の虫も鳴いた。それがおかしくて、二人で笑いあった。
ネスは黄色いリュックの中からクロワッサンを二つ出してリュカに一つ手渡した。
「ありがとう!」
二人で食べたクロワッサンはいつもよりおいしかった。
「…!」
楽しくしている時にいなくなったはずの亜空軍が襲来して来た。
「…僕たちになんの用なんだろね。」
「…さぁ?」
せまりくる敵に、リュカは強気だった。もう逃げたりなんかしない。
「行くよ!リュカ」
「うん!」
二人の身体は七色の光に包まれる。
「「PKスターストーム!!」」
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