リュカネス
シリアス&女性向け
リュカ視点
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o you know it?





今度はボクがネスのこと守ってあげる。
どうしたの?いきなり。

きみとぼくってなんだか正反対だよね。
似ているのはPSIが使えること。
世界を救ったこと。
でも違うのは背負った過去。

ボクは母も兄も失った。
理不尽な過去を生きながら強くなったって言ってた。
でもネスは大切なものを失わずに、ここまでやってきた。
それを、ぼくは失ったんだ。
強くなったって言っていたのに、せっかく逢ったネスを守ることが出来なかった。





「ねぇ、ネス、ぼくがいなくなったらネスはどうする?」

乱闘の終わりに、一緒に部屋に戻りながら話をした。
でも、ネスの目はすごく切なそうにボクを見ていた。

「冗談だよ。そんな顔しないで。」

これは自分にとっても結構意地悪な質問だなと思った。
このたとえ話が僕でこうなら、きっと家族だと大泣きだろうな。
心が壊れてしまうんだろうな。
だからネスにその気持ちを味わわせたくはないんだ。
守りたいんだ、助けたいんだ、引きずり込ませたくないんだ。
嫌いな世界から。
…何言ってんだろうね。僕。
でもいつもそう思っているのは本当なんだ。
幸せなネスを守りたい。
残酷な世界を見せたくない。






今日の乱闘はスペシャル乱闘。
ただ体力制なだけで、大きくもなく小さくもない。
花も咲いていなければうさみみもない。
そんな条件の乱闘。
しかもチーム戦で、レッドチームの僕とネス。
相手はグリーンチームのガノンとクッパ。
すごく…仲間割れしそう…。

そんな中で、アナウンスのGO!とともに湧き上がった歓声とともに戦いが始まった。






お互いに相当なダメージが与えられて、試合はおそらく終盤戦。
ここからが正念場。
僕はクッパ、ネスはガノンと戦って、勝ちたい…。
はやくクッパを倒して、ネスと一緒にガノンを倒して勝ちたいんだ。
そんなことが頭によぎって、焦っちゃって、うまくいかない。
不意に飛び込んだところをクッパに掴まれた。
慌てて振りほどくと、それの反動でバランスを少し崩してよろけてしまった。
そこを狙われてしまったのか、クッパの強烈なスマッシュを食らってしまった。
もう立てない。戦えない。守れ…ない。
僕の叫びが聞こえたネスは戦っているにもかかわらず僕を見ていた。
声にならない声でネスを呼んで手を伸ばしたけど、もちろん届かない。
ネスも僕のところに駆け寄って来ようとしたけど、そこでガノンの強烈なスマッシュが…

意識が遠のいた所で、ネスの悲痛な叫びが聞こえたんだ。
僕はネスのこと…守れなかったんだよね?
悲しくて、泣きたかった。




意識を取り戻したところで、まぶしい光が差し込む。
フィギュア化した僕たちを、元に戻してくれたんだ。
大体乱闘の後はそんなもの。
いい勝負だったとお互い握手を交わした。
本当は泣きたかったけど、みんな見ているし、変に思われてしまうといけないから、
とりあえず笑った。

それからと僕は笑みを見せなかった。
過去にもネスと一緒のチームで負けたことだって何回もあった。
なのになぜか今日は余計に悔しくて苦しかった。
当然の如くネスは僕を心配しに来るけど、何も話さなかった。

夜、就寝する時に、ベットに腰掛けていた。
そこでネスが隣に座ってくれて、心配そうに僕の顔を覗き込んでくる。

「どうしたの?今日なんか変だよ?」

そりゃ自分でもわかるくらいに今日の僕は変だ。
どうしてなんだろうね。
ネスのことがそんなに大事だからなんだよね。
今度こそ大切な人を失くしたくはないんだ。

「ネスを…ま、ま…」
「…?」

正直に言いたかった。
だってネスったら鈍いところあるんだもん。
でもうまく口に出すことなんてなんかできない。

「あ、あのね…ネスを…ちゃんと守りたいの…」

なんだか顔がすごく熱いのがわかる。
多分相手が異性だったらものすごい事になっていたりして。

「ネスに…僕の見たような現実を見せたくなくて…ネスに重たい過去…
背負わせたくないような…」

羞恥と緊張で頭がパニックになって、何が言いたいのかわからなくなってしまった。
ちゃんと言いたい。ちゃんと伝えたい…。
何か理不尽なことでもあって、友達とか家族とかを失って欲しくないから、
その理不尽を失くすために、僕が出来る限りの努力がしたくて…

「リュカ…それは今じゃなくてもいいんじゃないかな?」

ネスは僕の発言を素直に受け止めてくれた。

「きっとその時が来るかもしれない。
きっと僕にはできない何かが起こるかもしれない。
そうしたら、僕はきっとリュカに助けを求めるかもしれない。」

テレパシーを使われたのか、それともただ単に読み易い話だったのか、
どちらにせよネスには伝わったかもしれない。




約束だからね。
絶対にその時は僕がきっと救ってみせるから。











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