もしも…
君がこの世界に訪れたとしたら…
この世界の物語は一体どんな物語に変わるだろう…
小さな事から大きな事へと綴る物語
〜時を超える大きな小さな物語〜
広い世界を歩き回り、
色んな物を目で感じ、
数々の敵の強さを身体で感じ、
そして世界を救った少年、ネス。
世界が平和になったから、今となってはどこにでもいるような少年。
普通の人らしく普通の場所で普通の生活を送っていた。
だがそんなある日、ネスの生活を変えるような、一本の黒電話のベルが鳴り響いた。
パパかな?なんて思いながら受話器を手に取る。
「もしもし?」
「…あ…ネス?」
相手の声はかつてネスと共に世界を救った少年の一人、ジェフ。
そんな彼がネスに一体何の用があるのだろうか…。
「ジェフ!久しぶり!君が電話してくるなんて、どうしたの?」
ネスは歓喜の声をあげる。
だが、向こうはそんな余裕はないようだ。
「…ネスと話せてうれしいよ。でも聞いてくれ。」
ジェフの真剣な声につられて、ネスはつい堅くなる。
「…ラボに行ったらパパ……いや、アンドーナッツ博士がいないんだ。」
「…え…!?」
「サターンバレーにでもいるのかなと思って、
僕のスカイウォーカーでいったけど…いないんだ…」
「…ジェフには何か伝えてあったの?」
「なにも…神隠しのように、忽然と…」
そんなこと言われたって、ネスはどうしたらいいかわからない。
「博士を捜したい…ネス。君の力が必要なんだ!」
何故僕の力が…?何て思った。
「ネスのその超能力とか、あの時から別人のように強くなったから…
ほら、僕そんな力なんて使えないし…弱虫だから…」
「超能力って…だったらポーラの方が…」
「ネス、ポーラは女の子だよ?
もしかしたら危険な旅になるかもしれないから…だから…」
「…わかった。なら、僕はどこに行けばいい?」
「僕が迎えに行く。もう少し待ってて…」
ネスが返事を返した後、ジェフは電話を切った。
「また世界を救う旅?」
電話の内容からして、ネスのママが問い掛ける。
「…うん。また行かなきゃ…」
「…気をつけていってらっしゃい。
ママはヒーローのネスを応援してるから♪イェイ♪」
初めての旅も、ママはそうやって快く見送ってくれた。
ネスは旅で拾ったでんせつのバットを持って、家を出た。
数歩歩くとふっと暗くなった。
空を見上げると、どこかで見たような飛行物体がネスの真上に止まっている。
怪しみながら二歩ぐらい後ろに下がった。
その飛行物体は着地を終えると、コックピットの扉が開く。
その向こうにはさっき電話で会話を交わしたジェフが「乗って!」と呼び掛けた。
中にはハンドルと思われるレバーだとか、
何かのスイッチだとか、
しかも二人分のイスまである。
「わざわざありがとう…危険な旅かもしれないけど…」
「大丈夫だよ。ジェフ。そんなの覚悟の上さ。」
ジェフは一つのスイッチを押すと、スカイウォーカーが空に浮かぶ。
「…そういえば…ラボにビックフットがいたよね…。
あいつが豚みたいなやつが博士をどっかに連れてったって言ってた…」
豚みたいなやつが…?そういわれてしまうと誰が犯人だったか思い浮かばないはずがない。
あいつだ…ポーキーだ!
「ポーキーが博士を…?」
どこに連れていったか…想像つかない…
あの時…
ー時空と空間を飛び越えて、次のプランを練るつもりさ!ー
「…ジェフ…もしかして…博士はこの時代にいないんじゃ…」
「え…!?」
それはないだろうとネスの考えを否定しようとしたが、
ジェフもよく考えたら、あの時過去に行った時、生身のままでは過去には行けないのに、
ポーキーはなぜか生身のままネス達に会いに来た…。
過去と未来を行き来出来るということだ。
「確かにネスの意見は間違ってはいない。
なら…行ってみる…過去や未来に…」
実はこのスカイウォーカーは時空と空間を飛び越える設備も整っていた。
ポーキーの乗っていた機械を参考にしたもの。
「なんだよ。そんな装置あるじゃないか。」
「…失敗したら死ぬんだよ?
ネスだって知ってるじゃないか。
だからあまり言いたくなかったんだ。」
「でも…博士を捜さなきゃいけないんだろ?」
「…わかった…やってみる…」
このままじゃ、ネスは何の為に来たかわかったもんじゃない。
ジェフは覚悟を決めて、一つのスイッチを押した。
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