亜空ネタ?
アイマル。
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色剣士




どこの誰の企みだか、誰も知らない。
だが、自分達の住む世界が何かによって少しずつ闇にのまれていく。

「…マルス…?」

荒野の一部が闇の球体にのみこまれて、マルスは歯を噛み締めて、握りこぶしを作り、闇の球体を鋭く睨む。そこにはさっきまで砦があったのだ。

「もう何も失いたくないのに…どうして…」

その青い瞳から、涙が溢れそうだった。彼は既に、祖国を失い、母も失っている。
何かを失う辛さはアイクも知っている。アイクだって父を失っている。

「アイク…あんな事になったのは、何かの兵器なんだよね。ということは他の所も闇に呑まれるかもしれない。」
「…そうだな…誰の企みだか知らないが、止める必要がある。守るべきものの為に戦う。」

アイクは『ラグネル』を、マルスは『ファルシオン』をそれぞれ握り、前へと進む。
だが、突然とマルスの足が止まった。

「どうした?」

何かを思い込んで俯くマルスにアイクが声をかける。

「アイクは…裏切らないよね…」
「なんだ?急に…」
「ううん。なんでもないの…」
「そうか…なら、行くぞ…早くしないとまた何かを失う…。」

祖国を失ってから、なにか裏切りが怖かった。
だから、アイクだけでも裏切ってほしくない。

「マルス?行くぞ?」
「…あ…うん。」

アイクの呼び掛けで、ようやくマルスは歩を進める。

「アイクは一人になっても…戦える…?」
「…まぁな。俺は一応団長だし…」

マルスの言う『一人』はその一人ではなくて、孤独の方の『一人』。恐らくアイクはそれを勘違いしていると思う。

「…すごいね…。」
「マルスは一人では戦えないのか?」

アイクはマルスのその言葉を大して深くは考えてはいないみたい。平然としている。

「そんな事はないけど…でも、一人より二人。そのほうが敵も早く倒せるし、友情が深まったりしてね。」
「…友情…か…。」
「あ、アイクはそういうの、嫌?」
「そんなことはない。ただ、そういうの、あんまり言われたことないからな…」

さっきまではなんだか暗かったのに、何となく暖かい光が差し込めたような。
だが、そんなタイミングに、空からふわりと暗い紫の『影虫』が舞ってくる。

「お出ましか…」

アイクが『ラグネル』を構える。無数の『影虫』がいくつかにまとまり、深緑のモンスター、『プリム』になる。そいつらがいくつも生み出され、襲い掛かる。

「天・空!!」

一体のプリムを『ラグネル』と共に空へ放り投げて、アイクも空で『ラグネル』を取り、そのまま急降下。周りにいたプリムもろとも吹き飛ばす。
マルスの所にプリムが飛び掛かる。『ファルシオン』の華麗な剣裁きで切り付ける。
最も厄介なのが、ブーメランを持ったプリムだとかビームソードをプリムだとか…。そういう奴らのせいで、かなりてこずる。
アイクに迫りくるブーメランをマルスが振り払い、マルスに切り掛かるビームソードをアイクがカウンターで止めて反撃したり…



「…はぁ…はぁ…」

たくさんいたプリム達を全滅させる。
安心と疲れでマルスは膝を付いて呼吸を整える。
腕とかにあざができてる。

「…大丈夫か?マルス。」

アイクも息を荒くしてる。お互いを守って傷つきながらも支えあって、そしてマルスに手を差し延べる。

「うん…大丈夫…。アイクも大丈夫…?」
「俺は平気だ。一応傭兵だしな。このくらい…。」

アイクだってどこかしらあざができてた。

「強いもんね…アイク。」
「マルスもな…俺には無いような強さを持っている。」

照れるそぶりもなくアイクは優しく笑ってくれた。

「グレイル傭兵団の団長として、あなたを守りますよ。マルス王子。」

そんなアイクの台詞に、マルスは返す言葉が見つからなかったが、

「それでも、僕は役にたてるかな…アイク団長。」

二人は何かを守るために戦い、前へ進む。深い闇から光を見せるために…








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