アウステ
甘めを目指してみた
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味気ないソファに腰掛けて、なにもない時間をただただ過ごす。
何かないかとアウルは天井を仰ぐ。
「…ステラ、近いだろそれ。」
アウルに接触するかしないかの位置にステラは座っていた。
「…うん」
「うんじゃないだろ?狭いんだけど」
「…うん」
何度やっても同じ。
諦めたアウルはむすっと表情を歪めて体制をだらしなくする。
ネオのとこにいないのは正直驚いたが。
別にネオは特別何かしているわけでもないし、ネオがステラを煙たがってることなんて一生涯有り得ない。
だけど、まんざら嫌でもない。
そう考えているとステラは甘えるようにアウルの肩に寄り添う。
まさかネオと勘違いしてるのかと反応に戸惑う。
「なんだよ…僕はネオじゃないぜ?」
「…うん…ネオじゃない…アウル」
あれ?わかってるじゃん。
熱でもあるのか?
なんて更にわからなくなる。
「…アウル…好きな匂い…」
「…は?」
「…海のいい匂い…する…」
今僕の事好きなのかなんて期待した自分がバカだったなぁなんてため息。
それでも考えてみれば自分だって海にいる。
青い世界の中を、ステラ以上に見ている。
「うらやましいだろ」
海の青の世界を自慢しようと、ステラの肩を引き寄せ更に密着させる。
「…なにが…?」
「僕は海の中見たことあるんだぜ?すげー綺麗」
自慢げにニヤリとするとステラは目を輝かせる。
そんな表情が妙に愛しくて。
「今度連れていってやるよ。」
「ほんと!?」
アウルが頷けばステラは幸せいっぱいに溢れてアウルに抱き着いた。
ああ、かわいいな。
ステラの幸せを独占出来て自分まで幸せになる。
そしたら次はもっと幸せに、大好きな海で独占してやるさ。