クルシグ
時には優しいクルークを書きたかった
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自分の力を磨くため、今日もぷよ勝負に励む。


ナーエの森の中で、シグとクルークが勝負を繰り広げている。
星の光と青い光が交わる。


「ウルザ・マヨル!」
「ラピスラズ……っ…!?」


クルークの力がシグの足を直撃し、シグは倒れる。そのままもがいて立たない。


「…シグ…!」


クルークに緊張が走り、焦る。
ここまでするつもりはなかった。
俯せに、片足を押さえて痛みに耐えてるシグを仰向けにして、怪我をした場所を押さえてるであろう手を退ける。

その箇所の布地は破け、血が滲む。


「ごめん!こんなにやるつもりじゃなかったんだ!」


一刻も早く応急処置をしなきゃ大変とクルークはシグの両腕を引き、上体を起こす。


「…へーきだよ…」
「さ、しっかりつかまって!」


そのままクルークはシグを背負う。
シグもされるがままに、落ちるのが怖いからクルークにしがみつく。

森を出て、街道を通る。


「どこ行くの?」
「…とりあえず…ボクの家さ…」「わぁい!めがねのおうちー」


怪我なんて忘れたように呑気にはしゃぐ。
この調子じゃ普通に歩けるのでは?と一瞬考えたが、怪我させた上、今さら自分で歩けなんて言えるはずもない。



クルークの家に着き、シグも自分で歩くとクルークの背から降りる。

意外と普通に歩いてるものだから期待を裏切られたようにため息を吐いたクルーク。
しかしシグは元々自分で歩こうとしたのにクルークが強引にやるから…と話す。


「そこに座って?今ばんそうこう持ってくるから…」


そう言えば言うことをしっかり聞いてクルークが言うソファに大人しく腰掛けた。

しっかりと掃除が行き届いて、本やペンやら何やらきっちり揃って乱れなく綺麗を保ってる。

足早にクルークがばんそうこうだの消毒液だの持ってくる。

丁寧に図星の裾を、怪我のある箇所より上に捲って丁寧に消毒する。


「…痛い…」
「…我慢…」


シグはそんなクルークを見てこんな一面がある事を知った。
自分はすごいから、きっと力が強いから、
でも誤ってこの様な事態は嫌なんだろうなって。


「さ、できたよ。」
「うん…ありがとう」


しっかりと処置は通って、汚れもない。
だがいざ動かそうとなると痛みが走る。


「あのさ…」
「うん?」
「…今日はその…家にいなよ」


クルークは目線を逸らして躊躇い気味に伝える。


「ほら、怪我だって安静にしないと危ないし外はもう暗くなってきたし…
…ボ、ボクがそもそも悪いんだからそのくらいはきちんとするから!」


一体何をするんだかわからないが、なんだか一緒にいて欲しいような言い草。


「うーん…へいきなのに…」
「そしたらついでに今日の宿題も手伝えるだろう?
どうせ明日先生に怒られるくらいならボクにみっちり教えて貰う方がよほどいいに決まってるさ!」
「うへー…まためがねにいじめられるー」
「なっ…!せっかくボクが教えてやろうとしてるんだ!ありがたく思えよ!」


だって迷惑かけた分、その代償をしたいんだから









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