ウィングさんからリクエストをいただきました!
ネスとリュカの仲の悪い話です!
仲の悪いように出来たかは正直自分でもですが楽しんでもらえたらと思ってます。
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チャンスときっかけを掴め!
おとなしくひまわりを見つめる彼を見て、ネスは思い起こす。
曇天の空の下でであったあの時のことを。
あれから一度も会話を交わしたことなんてなかった。
亜空軍との戦いは終わって、またいつものようにみんなは腕を奮って実力を見せ合う時になっても。
それなのに、ポケモントレーナーとはよく一緒に話をしている。
なにがあって二人が出会ったのだか知らないけど、気に入らなかった。
ただ嫉妬してるように自分でも分かりやすく感じている。
決して自分の行動は無駄ではなかったはずなのに、なのにどうしてこんなに嫌悪感がこみ上げてるのか。
ひまわりを見つめるリュカは、ネスの視線に気づく。
何か言いたいのを感じるが、話しかけづらい。
何度も助けてもらっているのに、気持ちがすくみあってしまって、ちゃんと自分の気持ちを伝えようにも別の気持ちが邪魔をして、
何度も何度も葛藤している。
そして結局何もいえないまま、チャンスは逃げてしまうのだ。
「あれ?どうしたの?」
浮かない顔をしていると、ポケトレがリュカの表情を伺って声を掛ける。
「あれから…ネスさんにちゃんとお礼を言ってなくて…ずっと言えないままでいるから怒ってるんじゃないかなって…」
リュカは心境を語る。それを聞いてポケトレはなんとかきっかけを作ってあげようと考えている。
仲良くなって欲しいのは彼だって一緒なのだ。友達が増えて嬉しくないなんてそんな事ないのだから。
「きっとネス君は怒ってなんかいないよ。ほら、あの時は大変だったし、ネス君だってきっとお話したいだろうし」
後押しを一生懸命してくれているのに、一歩踏み出せない。
どうしてそんなに怯えるのだろう。
「リュカとは仲良くないの?せっかくここに来たのに、それに同じ力を持っているでしょう?」
白いテーブルにあるカップを持ち、紅茶を啜るマルス。
その向かいにネスが自分のカップの中の紅茶を見つめてうなずく。
マルスも仲悪いことに首をかしげていたが、それでもリュカと少しの間共に行動していたマルスには分かる。
ネスには分からなくても、ちゃんと会ってありがとうとごめんなさいと言いたいとリュカから伝わってくる。
「ネス、リュカはちゃんと感謝しているよ?」
「え?」
「ただ引っ込み思案なところがあるから上手くいかないだけ。だからネスも勘違いしているだろうけど…」
だから避けたりもしないで、リュカとお話してねと続けて、マルスは微笑んだ。
その後ネスは、彼を探す。
自分から避けていたり、よく思ってなかったことに、謝罪の気持ちでいっぱいだった。
だから自分も謝りたいと、彼を探した。
そしてリュカとネスは同じ場所に居合わせる。
このチャンスはもう逃がさないと、リュカは強く誓い、リュカは勇気を振り絞ってネスに声を掛けた。