ネスリュカ
晴れと雨ネタ。シリアス。
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いてくれた孤独な空




大切な何かをうしなったのは雨の日だった。
どうしてかな?
ぼくのかわりにないてくれてるの?
かなしくなんてないのに…。
じぶんがよわいから、まもられてばかりで、なにもできなくて、なにかをうしなって、ないてばかりで…
ずっとかわらないまま。おわっていく。

ママがいなくなったときも雨だった。
ネスがぼくを助けてくれたのも、雨だった。

帰って来て…ママも…クラウスも…ネスも…
それであやまりたい。そしていっぱい甘えたい。
だから帰って来て…

太陽のいないひまわりみたいに、ぼくは俯いた。
泣いている空が嫌いだ。
でも、ぼくの涙を洗い流してくれる。
そんな泣いている空が好き。
でも泣きたいときは好きなだけ泣きたい。
そんなことしたって…ママは帰ってこない…。

なにもできないぼくが嫌いだ。そのせいでママとクラウスはいなくなって、ネスはさらわれて…
ぼくのせいでなにかを失ってしまうのなら、ぼくはここからいなくなればいいんだ。
そうすればなにもいなくならない。ネスだって苦しい目になんて遭わなくていいんだ。
泣いている空のせいでみんなびしょびしょ。だからみんな泣いてるように見えた。
もういやだ。こんな世界なんて見たくない。
はやくここからいなくなりたい。太陽のいない世界なんて、見たくない。
太陽がそこにあれば、少しでも、ぼくの見る世界が変わるかもしれない。
泣き顔が笑顔に変わってるかもしれない。

今、ぼくにとっての太陽はどこに…?


「リュカ。」

「…!」

ぼくにとっての太陽は、今、そこにいた。

「…ネス…?」
「ただいま。」

泣いているぼくに、手を差し延べてくれた。
優しく笑ってくれた。
泣いている空が雲を払って、ぼくの見る世界を明るく変えてくれた。
雨の雫がキラキラ光って、笑っているように見えた。

「おかえり…ネス…」

ぼくにとっての太陽は、ぼくを笑顔にさせてくれた。
泣いていた空とぼくは、太陽に思いっきり甘えた。
優しいネスはとってもあったかかった。
どこにもいかないでね。
また、ぼくも空も泣いちゃうから…






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