「どうして場所が分かるんです?」
「リュカとボニーが探している人を探しにクラブへ行ったでしょ?その時に妙な建物をちょっとだけ調べてきたんだ。」


研究所の近くにあるといわれている針を求めにその場所へと向かう。
あいかわらず電車の料金は高いから歩いてトンネルを抜けている最中だが。


「ネス、そこには一体どんな生物が?」


リュカとネスの会話にジェフは割ってはいる。
研究所と聞いてきっと博士が関わっているんじゃないかとそわそわするのだ。
ジェフの目的は飽くまでもアンドーナッツ博士を探すこと。


「ええっとね…ダチョウのような象に豚の頭をした草に足が8本ある馬に…」


想像もしたくない生物にジェフとリュカはぞっとした。
博士がこんな開発に関わっているとなると切なくなってくる。
確かにそんな生物を生み出すのは博士がいればきっと難しくはないはずなのに。
だがこんなことのためだけに博士をこの時代まで連れてきたというのだろうか。







研究所が見えてきた。
ネスの右手側には、大きな池と、なにやら厚い頑丈そうな扉が見える。
しかし誰がどこを見ても、ブタマスクの言っていたサルなんてどこにもいなかった。


「『サルがとにかく開けるんです』って言っていたけど…あの扉のことだよね?」


三人と一匹はその扉の前でしばらく黙る。


「なにやら人の形をした色んな絵が描いてあるけど…これとサル、一体なんの関係があるって?」


色んな絵を一通り眺めると、ジェフは何かひらめく。


「もしかして、サルが読める呪文か何かじゃないかな…」
「人の形なのに?」
「『人の形のに見える文字』かもよ?ほら、古代文字みたいにさ。」
「それをおサルさんが読んで開けるんだね?」


ネスとジェフの二人の会話に、微妙についていけないリュカ。
サルと聞いて、ふと3年前にあったサルを思い出す。


「こうなったらサルを探しに行こう。あの研究所に普通のサルがいたら大助かりだけど…」


ジェフが研究所を見つけため息。
あんな妙な生物があるところに普通のサルなんているはずもない。
実験前だったら話は別だけど。
どちらにしろ博士を探すためでもあるから。


「でも待ってよ。ここはブタマスクたちがうじゃうじゃいるんだよ?普通に入ってブタマスクたちに見つかった上に、
変な生物達に食われちゃうよ?」


ネスは冷静に考えて一度ジェフの考えを止める。
無鉄砲さに定評のある彼だから、下手にジェフの考えを鵜呑みにしてはいけない。
ジェフを信じていないわけじゃないが。


「でも僕は…博士を探しに来たんだ。博士を助けに来たんだ。
たとえここにいなくてもきっと手がかりはあるはずだから。」


ジェフは一人でさっさと研究所へ行こうとする。
その時、トランシーバーが鳴り始める。


『指揮官殿!ムラサキの森の針は変な模様をした扉の向こうにありまして…
実はそのキーとなるサルが檻から逃げ出して…あっ待て!その鍵は…!!』


話の途中であったがなにやらハプニングがあって通話は強制的に終わった。
しかし重要なものはしっかりと三人と一匹の耳に入ったのだ。


「これで研究所に行くための理由がそろったね。」


奇妙な森の、奇妙な研究所。
ジェフたちは、そこへ向かうための一歩を踏み出した。















「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -