非常にまずい事態になっている。
ヨクバに遭遇するかもとは思っていたが、本当に遭遇するとは思ってなかった。

あわててはしごを上がって逃げるが、このまま上がって逃げられる?


「くっそ!このままじゃ走りづらいぜ!」


クマトラがブタマスクの服とマスクを脱ぐ。
続いてダスターも脱ぎ捨てる。
リュカももう敵の目は欺けないと指揮官殿の服を脱いでいつもの格好に戻った。


ただ夢中になって塔を駆け上って付いたのは、広い子供部屋だ。
どうしてこの部屋がこんなところにあるんだろうと不思議で仕方ない。
派手なピンク色をした壁に数々のおもちゃが散乱している。
おまけにロボットのメイドまでいる。


「…なんだ…?ここは…まるで子供の世話をする部屋みたいだな…」


クマトラもダスターも呆気に取られる。
ブタマスクたちにこんな部屋がどうして必要なのか…
それとも、ブタマスクを統率する偉い人の子供をお世話する部屋なのだろうか…

とにかく、早くここから出なくては…
するとリュカの目に、ヨーヨーの入ったガラスケースが映る。
どうしてこれだけこんなに大事にしているのだろうと近づいて調べる。


「きんぐPサマノダイジナタカラモノ「ともだちのヨーヨー」ヲトッタラ
ワタシ オコリマスオコリマスオコリマスオコリマスゥーーーーー!!」


突然後ろにいたロボットメイドが襲い掛かってきた。
クマトラがリュカの腕を引いて、ロボメイドのマシュマロちゃんの攻撃の軌道から外す。


「こいつ!いきなり!PKサンダー!」


機械だから電撃でもお見舞いすれば爆発でもして一件落着とは思ったものの、
マシュマロちゃんはあついおちゃを反撃にこぼしてきたのだ。
思わずクマトラは近くにあった温泉にと思ったが冷水ではない。
ライフアップで痛みを軽減する。

ここは逃げようと考え、先へ行くはしごに登ろうとした瞬間、マシュマロちゃんは素早い動きで行く手を止める。


「くっ…こいつ…行かせないつもりだな!」


ダスターが懐からカベホチを取り出して拘束しようと投げる。
しかし背中からドリルなどの武装が付いたアームをいくつも伸びて、それらでカベホチをはじく。

これはまずいとダスターはアームが攻撃しないようにできる限りのカベホチを使い、クマトラは様々なPSIを駆使する。
リュカは隙を突いてアームを破壊する行動に出る。
運良く一つのアームを破壊できたが、マシュマロちゃんの平手打ちを直撃する。
ふらついた反動に、真ん中の温泉に落ちる。
そこを追い討ちに、マシュマロちゃんがこれでもかという怒りを見せてリュカの前に立つ。
これはピンチだ。
中途半端な力でも倒せないんじゃ…このままじゃ自分は…

そこでリュカははっと思った。


「リュカ!」


クマトラもダスターも助けに行こうとするが、マシュマロちゃんのアームによって阻まれる。
ボニーも吼えて、マシュマロちゃんに飛びかかるが、あっけなく失敗に終わる。

マシュマロちゃんの攻撃を食らう前に、リュカはある行動に出る。


「えいっ!」


それはマシュマロちゃんの腕を強く引っ張り、リュカの方に倒し、温泉に漬かせた。
ぴしぴしと火花が散る。


「キジモ ナカズバ ウタレマイニ…
ニンゲン バンジー サイオウガ ウマ
トンカツ クッテ ウマカッタ
アナタノ オカケニナッタ
デンワバンゴウハ ゲンザイ
ニシカラヒガシ デス…
コーワレチャッタ コーワレチャッタ コーワレチャッタヨ〜ン
プスッ プスプスッ ポンッ。」


マシュマロちゃんはそのまま壊れて動かなくなった。


「大丈夫か?リュカ。」
「うん、なんとか。」


クマトラに手を引かれ、さっきの水槽を確かめた。
マシュマロちゃんとの交戦で、ガラスケースが破壊されている。
赤色をしたまるで新品のようで使い古したようなヨーヨー。
キングPとかいった「ともだち」…


「リュカ!もたもたしてないでさっさと行くぞ!」


クマトラに呼ばれ、リュカははっとしてみんなの後を追う。
ヨーヨーを握り締めて…




登るところまで登り、大きな部屋に着いた。
いかにもエネルギーが集まっていて機械熱で体感温度が先ほどよりも暑い。
中央には巨大な柱に、大きなロボットが取り付けられている。
いかにも敵いそうにもない。




危険な作戦を実行すべく、スカイウォーカーで塔に向かう。
まるで自分達を迎えるかのように塔の砲台はこちらを睨んでいる。

その後に挨拶にと砲口にエネルギーが集まる。
自分らを発見して発射しようとしたのか、
それとも誰かの家に雷を落とそうとしたところに偶然このスカイウォーカーに出くわしたのか、わからない。

ネスはそのままスカイウォーカーの扉を開けて機体の上へとよじ登る。
球体を上手く利用してしがみつき、立ち上がるのは危ないから最悪でも上体を上げる。

赤い帽子に黄色いバッジが光る。

イカヅチがまっすぐに発射された。















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