ついふらっとしてしまい、これはまずいと思い、ヒーリングをこころみる。
無理して動くわけには行かないと、再び涼しい日陰を探す。


「参ったね…まだ塔はあんなに遠いよ…」


疲労と暑さで精神が完全に参ってしまったジェフは、塔への距離に更に絶望を覚える。
もしかしたら蜃気楼でも見ているんではないかと考えてしまう。


「ネス、テレポートでなんとかあの場所まで行けないかな…」
「無茶言わないでよ…ただでさえ危険なPSIだったし、それにあの場所がわからないんだもん…」


今まで訪れた場所だからこそ成り立つテレポート。
確かに使えたら今頃こんな苦労なんてしない。


「おい、君たち!一体どうした!?」


そこに現れたのはブタマスクだった。
こんなときに敵に出会うなんてと思ったが、相手に敵意なんてない。
体調も考えて、無理に戦わないほうが無難だとは思う。

そこでジェフがブタマスクに答える。


「あ、あの…旅をしていたら迷ってしまってこんなところに来てしまったんです…
それで、あの塔が見えて何なのか気になったんです。」
「迷ってしまったのなら大変だ…それと、あの塔はイカヅチの塔と言ってな、雷を落とす塔なのさ。」


その言葉に二人は驚きを隠せない。
しかしここで感情を変えてはいけない。もう少し手がかりになる情報を…


「あの、ぜひそこを見学したいのですがよろしいでしょうか?」
「しかし…君たちは迷子になっているだろう?それにイカヅチタワーは子供には危険な場所だし…
何より体調がよくないように見えるぞ?」


やはりだめかとすこし残念そうにする。
しかしあの塔の情報を入手しただけでも十分な収穫。塔にいけなくても、こっちにはスカイウォーカーがある。
なんとか手を打てるはず。


「だが、ここも危険だ、ヒトシラズの谷までなら連れて行ってあげるから…」
「いえ、大丈夫です、そこまで迷惑も掛けられませんし…来た道は覚えているのでがんばってここから出ます。」


ブタマスクがもう一踏ん張り説得しようとしたが、ブタマスクのトランシーバーから音がする。
慌てて応答すると、怒鳴り声が聞こえる。


『急いで戻って来い!!塔に侵入者がいる!!』
「りょ、了解です!!」


会話を終えるとブタマスクはさっさと乗ってきたポークビーンに乗り込む。


「すまない!君たち!ちゃんと無事に帰るんだよ!!」


そういうと猛スピードで去る。
姿が見えなくなるまでずっと向かった先を見つめる。


「行っちゃったね…」
「ああ…でも、聞こえただろ?『塔に侵入者』だって。」
「…リュカたち…塔についたんだね…でも無事に帰ってこれるかな…」
「厳しいね…おそらくあそこが拠点みたいなところなんだから…」


ポークビーンが向かった先を頼りに、二人は歩き出す。


「ジェフ、やっぱスカイウォーカーで塔に行ったほうがいいと思うよ?」
「どうして?着陸するところがあるとは限らないし…もしかしてあのスカイウォーカーで直接塔を叩こうとしてるの?」


ジェフが答えるとネスはえ?違うの?という顔をする。


「あいにく武装はつけてないし…それだけじゃあの塔は破壊できないよ。」



その時、あの塔の砲台から稲光が放たれる。
轟音と共に青白い閃光が一瞬にして消える。


「…見た?」
「…ばっちり。」


あの稲光を見て、ネスは思う。
稲光を利用すれば塔も破壊できるんじゃないのかと…


「ジェフ、やっぱり戻ろう!」
「え!?今から!?でもどうして?スカイウォーカーは武装も付いてないし、
改造するにしても時間かかるから…」
「いいの!ちょっと危険だけど…」
























「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -