ブタマスクに連れられるがままにやって来た場所はおそらく元凶であるイカヅチタワー。
いろいろ好都合だし、このままイカヅチタワーを止める。
中に進入していくといろいろな機械があって、なにやらぴこぴこ言っている。
そんな機械をいくつもいくつも見かける。
「おそらくこれがこの塔を操っているに違いない…」
ダスターはその機械たちを見つめて言う。
なんとかして壊せないだろうかと悩んでいる。
「だめだ。周りにブタマスクがいる。他を何とかしよう。」
ある部屋に差し掛かると、妙な光景を目にした。
水槽の中にうなぎが何匹もいて、その水槽の前にブタマスクたちが何かをしてる。
リュカは指揮官のフリをして聞き出しに行く。
「あっ、しきかんどの!違うんですよ。このウナギが電気を発しないものですから驚かしているんですよ。」
…この塔の動力はこのウナギたちなのかとリュカたちは唖然とした。
でもこの水槽を何とかすればきっとこの塔を何とかできるに違いない。
でもまだ調査する必要性がある。
この部屋をあとにした。
道筋の通りに進むと、さらに上を登るはしごがある。
あれを登ればきっとあの塔の砲台部分に着くに違いない。
そう思いはしごに向かうと目立つくらいにDCMCのポスターが貼り付けられて、気がつけばそこら一帯DCMCグッズだらけだった。
「…相当なファンだな。」
呆れるクマトラに対し、ダスターは少し嬉しそうにうんと返す。
もうすでにタメキチとして活動しなくても、ダスターとして生きていても、これを見て嬉しくないはずはない。
「でもダメだぜ?ダスターはそれでも大事なファンはもう敵なんだから。
情けなんてかけるなよ?」
「わかってるさ。そんな事。」
そんなことよりもたもたなんてしていられない。
一刻も早くこの塔を何とかしなければ、今日もリュカの家は犠牲になるに違いない。
はしごを登ろうと手をかけた瞬間、ボニーがうなり始める。
その先には会いたくもないあの強面のブタマスクが誇らしげに笑みを浮かべていた。
「その先には行かせないぜ…あの時はへんなガキどもに邪魔されたが今度はそうはいかねぇ」
ネスさんとジェフさんをへんなガキ扱いするなんてとリュカは怒りを見せるが怯えが強い。
今度こそこのブタマスクを相手にしなければいけないんだ。
ネスさんとジェフさんの助けなんてもうないんだ。
あいにく周りには他のブタマスクがいないが下手に騒いだら他の奴らが援護しに来るに違いない。
騒がれないうちにしとめるか、もしくは騒がれても他のブタマスクには自分達の格好に騙されてくれるか、
どっちにしろここはブタマスクたちの拠点みたいなもの。リュカたちには到底不利にしか転がれない。
「今までだいとかいコーラとか運んできてやったのが昨日のように思えるぜ!」
クマトラは攻撃的にPKファイアーを打ち込む。自分らにとっては嬉しい客かも知れなかったのに今じゃこのざま。
「何わけのわからないことを言ってるんだ!」
巨体のわりに難なく攻撃を避けるとクマトラに襲い掛かる。
たとえかつてのウェイトレスだろうがもう関係ない。ブタマスクにはそれを知るよしもないし、
そんな事知ったら裏切りも何もない。
ダスターが懐からイカヅチだまを取り出して放り投げる。
稲光が相手を打ちつけ、相当なダメージを食らわせてひるませる。
リュカは思った。自分のPSIの力で物理攻撃を強化したらかなり強いんじゃないかと。
そう頭で考え込み、力をみなぎらせる。
力がこもっているのに、なにか軽々しく感じる。これで力が増強しているのだろう。
先頭に立ってひるんでるブタマスクに力いっぱい棒で頭を叩きつける。
これが予想通り相当効いたらしくブタマスクは呻きを上げながらよろめく。
「良いぞリュカ!」
ダスターがカベホチを取り出しブタマスクの手首と足首に向かって思い切り投げつけ、壁に拘束する。
本当ならこのままでも良いかもしれないが、他のブタマスクが助けてしまうかもしれないし、
なによりこのブタマスクの強靭な肉体じゃ解かれるのも時間の問題。
ダスターは動けないブタマスクの頭に強力な蹴りをお見舞いした。
そのままブタマスクは大人しくなった。
これでようやく一安心と思いきや、もうその余地はない。
タイミングの悪いときにヨクバが現れたのだから。