クルシグ
なんか前の話とすこーし似ている気がする
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クルークはシグの半身と水色のタマシイが気になって、今日もシグに接近する。
よく変わったこととかを聞いているがシグは相変わらず知らないとかで返す。
本当に何も知らないのかと思うけど、クルークが持っている封印のきろくには、ずいぶん昔の話、
つまりシグの先祖に当たるから、何も知らないのは当然かと自分に聞かせる。
「ねぇ、めがね、もし本当のことがわかったらこの手治る?」
めずらしくシグから話しかけてきた。
前は大して気にしてなかったのに…やっぱり心のそこでは気になっていたのだろう。
「キミが何も分からないんじゃあボクだってわからないさ。
隠していることとかないよね?」
「…うん…なんにもないよ」
いつの日もどんな日も、あの紅い手と紅い左目について調べていた。
本に封印された紅いタマシイと、シグの水色のタマシイのことも。
本当に昔のことなんだろうから、なかなかその時のことなんて見つからない。
簡単な話、自分がこの本に封印されているこの紅いタマシイと会話ができればいいけど…
シグと一緒に異変を調べているときから、シグはずっと左手のことを気にしていた。
もしかたらこの手には毒があるんじゃないかなって。もうすぐ死んじゃうのかなって。
それともこの手には何か隠されていて、人を殺めるんじゃないかなって。
そう考えているうちに、クルークがそんな風に考えるのはやめてと止める。
「なんとか元に戻す方法見つけるから…だからそんなこと考えない。
ほら、ボクは天才クルーク様だからね!」
なんてエラそうに言ってるけど、ほんとはこんなんでいいのかななんても考える。
そんなある日のことだった。
シグが紫陽花の話をしたのだ。
「ある人がね、紫陽花のこと大好きなの。
それでね、いっぱいその紫陽花使ってね、色んな調べ事したんだって。
じゃあ今度は食べたら美味しいのかなって、食べてみたの。
そしたら悪い物を見たような感じがして、身体が苦しくなって、その人死んじゃったんだって。
紫陽花にね、強い毒があるの。」
一体何が言いたいのだろう。
シグは「ハイドレンジア」という強力な魔導を使う。
そして花の色からして、まさしくタマシイの色と対称的。
自分を紫陽花と置いているのだろうか…
「だからね、クルーク、これ…自分で治す。
もしかしたらクルークのこと、大変な目にあわせてしまうかも。」
左手を隠して、もう関わらないでと言わないばかりの忠告。
でもクルークは黙っていない。
「ばかだねぇ…キミは自分自身が毒だというのかい?
大体完全に戻っていないようだし自分自身も何だか分かっていないんじゃ人を殺めるなんてできないさ。
どうせほんの少しの力なんだから…」
悪いことは言ってはいないけどシグには大きな力はそれほど使えない。
なぜならここに大きな力を封じているから…
「だから、そんなこと言わずに、治す方法をみつけよう!
キミ一人なんかよりボクがいたほうが数倍早く見つかるからね!」
いつの日もどんな日も、学校がなくたってずっと二人は一緒に解けない謎を解いていくのだった。
そうしてあの記憶が、クルークによみがえる。