「お疲れ様。もう、帰るのね。」
「あぁ。ゼラがゲートを開けてくれたら我が輩は一度魔界へ帰る。」
「いつでも、待ってるわ」
「愚かな奴だ。我が輩はいつ戻るかわからんのだぞ?」
「わかってるわ。でも私が死ぬまでには会いに来るでしょう?」
「………ふん」
約束
あの会話から、3年が経った……
私は今、フリーのジャーナリストをしていて、ネタは全て望月調査会社に納め、その報酬金で生活している。
「スペインにいるの?」
『うん!久々に帰るね!』
「オッケー。迎えに行くわ」
『ありがとう!!明日の11時に着くから!』
「了解。」
幼なじみ、桂木弥子とはかつて一人の、魔人により共に昔翻弄させられた仲間だ。
私より一つ下の彼女は、高校を卒業後、「探偵」として世界を飛び回るようになった。
彼女もまた、私と同じく彼の居場所を無くさないように進化した。
「懐かしいな……」
あの頃の私はただ勉強するだけの、つまらない毎日を送っていた。
しかし、弥子の父が亡くなってから世界は変わった。
それまで諦めていた可能性にかけ、動くようになった。
全ては彼と出会ったから………
「……嫌ね、走馬灯みたいに思い出しちゃう。縁起悪い…まるで死ぬ前みたい…」
「ほぉ、それは困るな。せっかく会いに来たのに」
「………へ?」
振り返ると、あの、彼が、手錠を持って立っていた。
「ね…ネウロ………」
「我が輩、パワーアップしたが死者を蘇らせることはできないぞ?」
「いや…死ぬのは…冗談です……」
「そうか。なら行くか」
そう言って私に手錠をかけるネウロ
「我が輩は悟った。世界には山ほど謎がある。日本に留まる必要性はないのだ。」
「そ…そうね」
「だから大きな謎がある場所へ向かうことにした」
「はぁ。」
「さぁ行くぞ」
「いやいやいやいや!!!いきなり!?」
「大丈夫だろう?貴様はジャーナリストなのだし」
「何で知ってるの!?」
「我が輩を誰だと思っている」
「はい、すみません。」
「公務員とやらになるのが夢ではなかったのか?」
「………昔はね。でもネウロに出会って、私…本当にやりたいことを目指す勇気がでたの。」
「みたいだな。今の貴様は楽しそうだ」
「ありがとう。」
「なまえ……」
「ネウロ……」
二人の距離が縮まる
「タイへ行くぞ」
「……………タイですか」
「今タイで大規模停電が起きている。ここから謎の気配がする。」
「え、あれって発電所のミスってニュースで…って何で知ってるの!?さっき入ったニュースなのに…」
ネウロをみると、いつの間にか、私のi/Phoneをいじくっている。
そうか…iPhon/eからか…って!!
「もうiPho/ne使いこなしてるよ!!」
「これは便利だな。」
「まぁね…」
「人間はどんどん向上する。素晴らしい。」
「………ええ」
「だから行くぞ」
「いやいやいやいや!!」
ズルズルと手錠に引っ張られるなまえ
「弥子が明日の11時に帰ってくるのよ!?せめてそれ待ちましょうよ!!」
「ウジ虫が……フム、そうだな…なら久々にそれまで二人っきりで過ごすか」
そう、穏やかに言うネウロ
「え………」
「何を驚いているのだ」
「だってネウロ、人間みたいなこと言うから………」
「我が輩も進化するのだ。人間の心理について魔界で研究していたからな。」
「……………ネウロ…」
「まだウジ虫には敵わないが、大体はわかる。貴様、我が輩を愛してるだろう?」
「えぇえええ!!!」
「魔界で考えていた。貴様が我輩にむける視線はウジ虫とは少し違った。何かはわからなかったが…魔界に帰ってやっとわかった。」
「ネウロ………」
「そして、我が輩も貴様を愛してるということがな。」
「嘘……」
「嘘ではない。ここにきて、一番に会いたいと思った。」
自然と、涙がこぼれる。
「待たせて悪かった。ただいま、なまえ」
「……おかえりなさい、ネウロ」
さぁ、始めよう。
新しい生活の始まりだ。
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111222を踏んだリリス様にささげます!
ちなみにオマケ
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「ところでネウロ、心理本ってどんなの読んだの?」
「色々だ」
「恋愛マニュアル本とか読んだんじゃないの〜?」
「貴様…マニュアルなぞなくても我が輩はいかに落とすかぐらいわかる。」
「あっそ」
「しかし楽しみだな……拷問道具もパワーアップした。」
そう言って次々取り出すネウロ
「………マニュアル本読んでないわね」
「?さっきから言っているだろう?」
「彼女に拷問道具見せる奴なんている訳ないわ」
「ふはははは」
弥子、ドンマイ