速水に取り立てに行かせた。
戻ってきたら封筒と…籠

「……………おい…」

「はい…」

「なんだこのネズミども。」

泥棒とかそんな奴等の比喩じゃなくてマジでネズミ。

「いえ…それが…取り立てしにいったら…逃げられてまして…」

「バカかてめぇ!!!本当お前は取り立てにしては三流だな!!今回行かせたとこは民家なのに何してんだお前!!」

「す…すいません!!で…でも金はあるんで…!!」

「ったく…どーせお前がだした金だろーが…」

「え!な…なんで!!」

「金ある奴等が夜逃げするわきゃねーだろーが!!!!!!!!!!!」

「す…すいません!!」

「とりあえず…速水、このネズミどうするつもりだ。」

「じ…事務所で飼いた…ひぃ!すみません!!!」

「社長さーん」

「なんだ吾代!!!」

「ネズミ飼いたくないんすか?」

「たりめーだ!」

「じゃあはやく片しないと…」

「はぁ?何言って…」

「たっだいまー!!」

「………………」

ああ…なるほど……

「お〜?速水なんかやらかしたのー??」

場の空気をぶち壊し登場した女性。
彼女はこの会社の経理を担当しており、また社長の恋人でもある。

「あ…はい…すいません…」

「いーのいーの。で、何やらかした??」

「夜逃げされたんだよ…」

「あーあー…ん…國春…その籠にいる白いの…」

「ネズミだよ」

「ハムスターじゃない!!!!!キャー!!かわいい!!!」

「……………」

「勿論このハムスター飼っていいわよね??」

「いや…これ捨てるつもりだ…」

「國春…私…これ飼いたい……」

「……ったく…わーった…じゃあ世話は速水、お前がしろ。」

「は…はい!!」

「言っとくが死なせてみろ……わかってるな?」

「は…はい!!!!」

「世話ぐらい私がするよ!速水はいつもの仕事して!」

「みよじさん…」

「ネズミに俺となまえの楽しい時間がとられると思うと……大変だなぁ……色々と。色んな意味で。なぁ?速水」

「みよじさん!是非私めにやらせてください!!」

「そ…そう?」

「てな訳でこの金は徴収したぜ速水。」

「は…はい!」

「次はしっかりやれよ。」

「はい!」

「いーなー…俺だったら普通に拳飛んでくるのに…」

「速水だからじゃねーよ吾代。」

「?」

「みよじが帰ってきたから速水は殴られずにすんだんだよ。」

「ああ…なるほど……」



「國春〜。じゃ今日一緒にハムスターの餌買いに行こ!」

「ああ。」

「お疲れ様でした!!」

「お疲れ〜!バイバイ!」




実権握ってんのは社長じゃなくてみよじじゃないかと薄々吾代は感じ始めていた。

今日も早乙女金融会社は平和です。



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