「あ……なまえ。久しぶり。」

「………は……?」

私が振り返るとヒゲを生やしたオヤジがいた。

「………お前と俺は同い年だろーが……」

「だまれ、私は永遠の二十代なのよ。ていうか心よむな!」

「元気?」

「え……まあ……。貴方がいなかったからかなり元気よ。」

「そっか……」

……………

「ってなんでそこで沈黙!?つっこんでよ!」

「そういやなまえは大阪府警にいったんだよな…」

「そうだけど……」

「なんでやねんって言ってみて?」

「死ね!!今から窓突き破って死ね!!」

「……久しぶりだな……」

「冒頭へ戻るの!?!」

「そういや何で警視にいるんだ?」

「今更その質問!?!……ちょっとこっちでマークしてたグループが活動の拠点を東京に移動したらしいから協力の要請に来たのよ。」

「ふーん……」

「………笛吹君元気?」

「相変わらず。」

「筑紫君も…」

「相変わらず。」

「じゃああなたは?」

「相変わ……」

「十年前と比べて?」

「…………さーな。」

大学で出会って、一緒に刑事目指そうって言ってたのに。

………どんなことも隠し事はなしだったのに……

何も話さない衛士にあの日から変わってしまった。


「…………嫌いよ」

「?」

「衛士といると私のリズムが狂うわ。」

「……」

「昔から私は衛士をからかうことができなかった。」

「………」

「…ま……そこは今も変わってないか……」

「………ああ…」

「ああってお前……否定してよ!!」

「………お前も変わってないな。」

「変わらないわよ。ていうか貴方だけでなく私までが変わったら笛吹君や筑紫君が泣くわ。」

「……そうだな…」

「だから……安心して?私は変わらないから。」

「…安心って………変われないだけだろ?」

「!!!バッ……!!」

いきなり昔みたいに笑わないでよ……
顔赤くなってるし……


「いいえ……私は変わって…そして衛士に勝つ!!!」

「そりゃますます変われないな。」

「ムカー!!!」

ねぇ衛士

貴方は変わってもやっぱり気付かないのね。

貴方の一言で私がどんどん狂ってしまうの。



だから貴方のせいで仕事ミスったら責任とってもらうから!


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