「ありえない」

「まーまー…仕方がないよ…」

あまりに私がすねているためいつも私が慰めるはずのヤコまでが私を慰める始末。

「なぜそんなに機嫌が悪くなるのだ?」

お前のせいだよコンチクショウ!

私はいつもこの事務所の受付もどきの留守番をしている。
吾代じゃあまりに怖くて客が逃げてしまうから、そしてあかねちゃんは姿を見せたらいけないしね!

そして!
今日は素敵な素敵なクリスマスイブ!

男になんか全く興味のない私はヒマだったしヤコに事務所でケーキを食べようと言われ来たのだ。

なんとサンタに扮した従業員がケーキを配達してくれるそうで、私はとても楽しみにしていた。


が、


どこぞの素敵ドS魔人が素敵な素敵な雪を降らせてくれたおかげでケーキどころか外出禁止に……
「最っ低ー…」

「?我が輩がか?」

「他に誰がいると?」

「どこが気に入らないのだ。イブに雪は降らせるものだろう?」

「あーっはっは。どこでそんな無駄知識手に入れたんだこの悪魔。あんたの無駄知識のせいで帰れないしケーキ食べれないし…」

「あ!闇鍋ならあるよ?」

「へ?」

ヤコとあかねちゃんをみると確かに鍋が…

「…………クマ食べる趣味ないからいいわ…」

なんでプレゼントを全部いれる!!
せめて日常食べてるものだけを入れて下さい!

「あー!!もう!ケーキ食べたいケーキ食べたい!糖分ほしい!」

角砂糖でも食べてやろうか。

「………甘いものが欲しいのか?」

「そーですよ甘ーい甘ーいもうとろけちゃうぐらい甘いものが欲しい!」

「………ならくれてやろう」

「へ?」

いつの間にかネウロに手首を捕まれ逃れられなくなる。

「甘ーくとろけたいのだな?」

「いや…あの…溶けたくないなー…」

ネウロはいつものあの企んだ恐ろしい笑顔で私に近づく。
まさか毒液をかける気!?!
止めて!ネウロの位置からして明らか顔じゃん!やー!!わー!!ぎゃー!!


「!!?!」

突如口を塞がれる。

ああくっそ中から溶けさせる気かこいつー!!!

ん?


「どうだ?甘いだろう?」

「………いや…甘いっていうかこれ…」

「キス、これで人間は甘くなるのだろう?」

「っ………!!!!こいっつ!!」

「なんだ?まだ甘くないのか?」

まだネウロは私の手首を捕まえている、まさか二回やるつもり…!!

「いや!甘い!十分甘い!むしろ塩まきたくなるぐらい甘い!」

「ならよかろう。」

やっとネウロは私から離れ、闇鍋をしているヤコにちょっかいをだしにいく。
あいつ本当にどこでキスの仕方学んだのよ…
何気に上手だったし…


「…しかも………本当に…甘かった……」

あいつが人間かもと

魔人じゃないかもと

少し考えなおした聖夜の奇跡。



★★★

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