ネウロがお茶会をしている間、千夏の元には、ありえない犯罪者が訪れていた。
「火火火火…久しぶりだねぇ、千夏ちゃん。いい女になった」
「………葛西…」
「おっと、記憶まだ戻ってないのかい?」
「………貴方と私には接点あるの…?」
「大有りさ!千夏ちゃんが俺とあの人を引き合わせたんだぜ?」
「………………」
「ま、いずれ思い出すよ。火火火っ」
「………………」
「千夏ちゃん。こっちに戻ってこいよ?俺は待っているからさ。」
「………………」
花瓶にあった花を燃やし、彼は去った……
◇34◇
「こんにちは!千夏さん!」
「弥子ちゃん…」
葛西が去った後、弥子ちゃんがお見舞いに来てくれた。
「あれ?花瓶の花……」
「ちょっと…ね…悪いんだけど花瓶の花、捨ててくれない?」
「いいですよ!」
「ありがとう。」
元気に去る弥子ちゃん
………私は、どうなるのだろう………
『笹塚さん…私……もしかしたらシックス側に行くかもしれないです…』
『それはお前の意思か?』
『………記憶によります。もし私がシックス側に行こうとしたら、殺してください……』
『…………』
『私自身では、自分が持つ狂気…止めることはきっとできない。』
『千夏…』
『私を、殺してください。』
『馬鹿いうな。お前は刑事だよ。』
『……………』
『また来る。』
少しずつ、記憶は戻ってきている。
あのシックスと仲良く食事をしている記憶
私の母と本を読んでいる記憶
私の父に勉強を教えてもらっている記憶
今はまだほのぼのした記憶しか戻っていないが、これから戻る記憶は間違いなく酷いだろう。
「私……どうなるのかな………」
ポツリと、夕日を見ながら呟いた。