次の日
千夏達は実験をした
鉄柵があるのに、女性が大の男を落とせるかという実験だ。
「鉄泥棒がいるから!」
「………石垣くん…」
「丁度いい、等々力いるだろ?やってみてくれ。」
「はい」
◇18◇
「え!?ちょっと!!落ちる!!落ちる!!」
無理だよねー…
「千夏は落とすならどうやる?」
「…気絶させてから運ぶにしろ難しいですね…何か紐でくくるとかしなきゃ…」
「だがそんな跡はない」
「ええ…」
「つまり……彼女単独では無理だということだ」
「はい」
「先輩助けてー!!!」
「………」
「………」
「で…これは助手に頼まれてたんだよな?」
「はい」
「え?ちょっ!!センパイ!!千夏ちゃん!!!」
「千夏、伝えてくれるか?」
「はい。あのチンピラと鉢合わせしたら困りますよね」
「困る……まぁ…そうだな。アイツとはどうも合わない」
「そんな気がします。わかりました。」
「わかる前に助けてー!!」
「さ…そろそろやめなさい。」
「チッ…」
「はい!………クソッ」
「千夏ちゃん!!今こいつら舌打ちした!!」
「…今回は石垣君が悪いわ…」
「えー!!!」
「もうちょっと進歩しなきゃ。もうあなたも先輩よ?」
「????」
この無の…いやいや、かんちが…いやいや、ミスの多さはワザとか…
隠してるようには見えないんだよねー……
「いつ成長するかな……」
当分先な気が……
夕方、千夏は仕事を終え、久々に桂木魔界探偵事務所に向かった。
「いつぶりかな…」
前は確か國春のピアスを貰った時だった気がする。
「時が過ぎるのは早いわね…」
あの時は夏だった。
もう今はクリスマスに近付いている。
あっという間ではあるが、同時に濃い月日を過ごした。
人事異動やら三途の川まで色々経験した。
「私は成長できてるのかしら」
イマイチ実感が湧かない
落ちてはいない
が
伸びてる気もしない
「あ…やば…」
なんかディーラと話したくなってきた。
彼は一番わかってくれる親友だ。
共に色んなことを経験した。
「………で」
色んなことを考えているうちに着いた
「……あら?」
窓ガラスが綺麗……
そういえばHALの事件で壊されたって新聞に載ってたわね…
「こんにちは」
「千夏か」
「弥子ちゃんは?」
「ガキのところへ」
「ふーん…」
「どうした?」
「変わったわね…」
「?」
「部屋……」
「見事だろう?家具屋にリフォームさせたのだ。」
「ああ…あの人に……」
「…複雑そうだな」
「そりゃあね…」
だんだん消えていく
國春が過ごした空間が……
「…実験結果は…シロよ」
「そうか」
「じゃ…」
「………………フン」