ヒステリア事件
まさかの笛吹担当
横取りっていうやつね…
まぁお手上げ状態だったから前担当者はちょっと嬉しそうだったけど


◇03◇

「何かひっかかる……」

あの後、一応現場をみて警視庁にある対策本部に戻った。
そこで私は対策本部から資料をコピーしてもらい、一連の爆破された場所をみていく。
場所は不特定
だからまだ公安は手を出さない。
「まだ」だけど
笛吹さんはそれも考慮しているんだろう。
表向きは横取りだけど、本当は公安に盗られないための防御。

しかし…あのスペルミスはわざとしたとしか思えない。
何も出来ない警察を嘲笑うために作った大切なカードだ。いくら無知でも辞書なりなんなりと調べて作るだろう。

「うー……ん………」
絶対これはヒントだ。
でも何の?
「はぁ……」
「大丈夫ですか?」
突然声をかけられる。
驚いて振り向けばスタバのコーヒーを持った筑紫くんがいた。
「これ、どうぞ。」
「わ!ありがと〜〜」
そのまま隣に腰掛ける筑紫くん。

「………すごい量ですね……」
目の前には山積みにされた資料。
「まあヒステリアは結構やってるからね…。ごめんね。散らかしてて。」
「いえ。それよりもう帰られたらどうでしょう?残っているのは笛吹さんと千夏さんとあと数人ですよ?」
そう言われ見渡してみると人がいない。
「あっら〜……」
もう夜中の3時だ。当然、公共交通機関はみなもうない。
私は車は持っていないのだ。
「今夜は泊まろうかな…」
「そうするにしてももう寝て下さい。今日は久しぶりに現場を動き回り疲れたでしょう?」
「ま…いつもはそれを管理する側だったもんね…」
「…そうですね…」
「しかし、よっぽど笹塚さんのことが嫌いなのね…」
あそこまでつっかかる笛吹さんは初めてみた。
「過去に…色々ありましたから……」
「もしかして…笹塚さんの……サイの……?」
「!?
知ってるのですか?」
「ええ。私はあの頃笹塚さんに家庭教師してもらってたの。でも私は自分で言うのもなんだけど勉強できてたし、私も警察官になりたかったから色々大学での話を聞いてたの。筑紫君や笛吹さんの話も勿論でてきてたわよ。」
「そうですか…じゃあ当時の関係もご存知ですね…?」
「ええ。貴方たち、よくサイコロで賭けしてたんでしょ?しかも毎回笹塚さんの勝ち。あれには笑ったわ〜。」
「ええ…よく万札をとられました…」
「ふふふっ」
苦笑いで語る筑紫君。
「でも…千夏さんは確かFBIで勤めていましたよね…?」
「ええ。両親がアメリカに住んでいたの…だから大学もアメリカのほうへ行ったわ。」
「そうなんですか…」
「両親がアメリカは危険だからきていいのは大学に入ってからだ!!なーんて言うから…でも…あの事件は驚いたわ…」
「ああ…そうですね…」
「サイ…あいつはなにもかも狂わせる存在だわ…」

「何もかも」

あえて繰り返す。
自分に言い聞かせるため。
「まあ…恐らくヒステリアが解決すればまた元通りになりますよ。」
「そうね。笛吹さんもきっと自分自身の長所とかを見つめ直してくれる…かな?」
「きっと大丈夫ですよ。あの人なら。それより千夏さん。少しでもいいので寝て下さい。コーヒー飲んだから眠りは浅いはずですから…」
「はいはい。わかったわよ。」
そういいながら仮眠室に入る。
「筑紫君」
「はい?」
「ありがとね。」
「はい」
筑紫君も…笛吹さんも疲れているはずなのに…
そう思いながら眠りにつく。
どうやら私が思っていた以上に疲れていたらしく、目覚めるともう正午だった




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