「本当申し訳ないです!ていうか駄目です!!」

「ん、気にしなくていいよ」

「しますっ!!!」

アクセサリー店にて

千夏が選んだネックレスを笹塚が買おうとして揉めていた

「お客様、お支払いはどちらが…?」

「あ、俺で」

「笹塚さん〜!!」

「誕生日プレゼントってことで」

「私誕生日はまだです!」

「まぁまぁ」

「お客様、甘えてもよろしいのではないでしょうか?」

「う〜…ありがとうございます…」

店員にまで説得される始末
千夏が仕方がなく折れた。


◇31◇



「ありがとうございます!」

「いえいえ。」

「幸せです…」

「よかった」

そう言いながら考える笹塚

「笹塚さん?」

「ん……?」

「いや…なんだか遠い目をなさっていましたから……」

「気のせいだよ。それより他にはない?」

「大丈夫です。そろそろバーに行きますか?」

その時すれ違った男が叫んだ。

「だれか!腕に自信あるやつ来てくれ!隣にある地下のクラブでガタイいいやつがいきなり客にメリケンサック使って殴りにくるんだ!」

「え…?」

千夏の顔が変わった。


「うらあぁあ!」

「うわっ!」

辺りに嫌な音を響かせながら男はメリケンサックをつけた手で殴る。

「やめなさい!!警察よ!」

「うらぁあ!!あははははははは!!お前ら弱っえ〜〜!!」

男は千夏と笹塚を無視し、辺りを見渡す。

「う……あ……」

その時客の一人が男と目があってしまった。

「うはははは!」

男がその客のほうへ向かった瞬間。

椅子を台にして千夏は男に飛び掛かった。


「やーめーろっていってるでしょうが!!」

千夏の跳び膝げりが見事に男のこめかみにあたった。

「全く……」

ちなみに、今の技をみた客はひそかに男のことを少し羨ましいと思っていた。

「まるで薬物中毒者みたいだな…。」

「ええ、警察に連行しないと……」

その瞬間、男がいきなり起き上がった。

「うはははは!やりたりねぇ!やりたりねぇよおぉお!!!!」

「た……確かに当てたのに…!?!」

「……千夏……これ持ってて。」

「え…?」

そう言って笹塚は上着を千夏に渡す。
笹塚は、せっかくの千夏とのデートを邪魔されかなり怒りがたまっていた。

「うがあぁああ!!次はお前かあぁ〜〜??」

男が笑った瞬間。


バッキィイィイ!!!!!!!!!!!!!!!


「…………………え?」

男は宙にういた。

そして数秒後にグシャア!!と床に倒れた。

「うおぉおお!!すっげー!!!」

周りの客は大歓声をあげる。

「……す……すごい…」

「ん。千夏、持っててくれてありがと。」

「は……はい。じゃあ連行しましょうか。」

「え。いや、後は警察に任せない?」

「何いってるんですか!私達も警察ですよ?」

「い……いや……そうじゃなくて……」

せっかくのデートが………

「はやく車に運びましょ。」

「……ああ……それじゃあコイツはおれが運ぶよ」

そういいながら笹塚はさりげなく男の顔を踏み付けた。





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