じょしの ショッピングは ながい▼



今月かなーりお世話になっておりますタマムシシティ。別にシティーガールとかになった覚えはないんだけど、でもそれ並感が…。
ちなみに、クチバからタマムシの間ってヤマブキを通らなきゃダメなんだけど、それもあってそこそこ距離があるんだよね。ゲームだったら五分もかからないってのに。だから、最初はタマムシに着くのはお昼過ぎどころかお八つ時あたりを予想してたんだけど、ね。
予想外の足を手に入れまして。いや、足と言うよりも翼って言ったほうが適当か。

西洋のドラゴン型のシルエット。
中学生になるまで恥ずかしながら気づかなかった火蜥蜴の意。いやぁ、うん。本当に気付いてなかったんですわ。てか、中二、あたりから私夢小説っていう存在を知ったんで…。その頃から一人オリキャラとかそういったの作り出していたんですわ。
ホント、ネット凄いね。一瞬にして否応が無しに世界が広がっていくんだもん。だからこそ、夢小説界隈の“漢字変換”ってヤツを読め意味を理解できるようになった訳だ。


それを自身で種蒔き耕して自給自足していた奴が、現実トリップしてるんだから、ははっ、笑えるよね。


「てか、リザードン…思ったより大きいね」

「ん?乗せたことなかったか」

「過去作品を見直して来い、一度もそのフリすら無かったわ」


手を噛まれたことならあったけど。
そう言えば、リザードンからグルルと少し居心地の悪そうな唸り声を上げるのが聞こえてくる。ちょっとしたイタズラだよとボソリと言えば、人間よりずっと聴力が優れているリザードンはわざと翼を大きく羽ばたかせて大きく動けば、まぁ普通に落ちそうになりますわな。残念なことに、足を組んでその上にヤドンを乗せてるから彼女の念力で落ちないけどね!
何で態々ヤドンの念力で固定してるんだよとか言われそうだけれど、ここで一度思い直してくれ。
私はまだ飛行ポケモンを連れていないんだよ。過去に鳥ポケモン乗って空を飛んだのって今から数年前、ほんの一時間前にカントーを発ったヒナタさんのピジョット以来一度も無いから。つか、あれが始めてポケモンに乗っての飛行旅だし、何よりもヤマブキを占拠していたロケット団に突撃する時だったから余計に空中飛行を楽しむ余裕なんか毛程も無かったし。むしろあの時頭の中に占めていたのって明らかなロケット団に対する殺意のみだったし。


とか、んな懐かしいことを思い出していれば本日もこんにちは。お世話になりますタマムシシティ。
大丈夫大丈夫。今回はただの買い物目的でグリーンとリザードンに送ってもらっただけだし。

だけど、人生そんな上手くいく根拠なんてどこにも存在していないわけでして。
ヤドンと共にリザードンから降りれば、何故かグリーンも一緒になって降りてきて振り向かない奴は残念ながら現在この場にはいなくてだな。つか、なんでアンタもリザードンから降りてんのさ。
マサラに帰るんじゃないの?さっき、クチバで聞いてきたのだってそういう意味時じゃないの?


「…グリーンも何か買い物?」

「あぁ、まぁそうなるな」

「…あっそう」

「ほら、行くんだろう?」

「……あぁ、うん」


何でアンタが、仕切ってんだよとかもうそんなものは今更過ぎるか。いや、本当に何でこいつの方が先導してるんだろうねぇ。
もう、どうにでもなれ…。




はい。
私の買い物シーンはどっかの誰かさんが見事素晴らしくカットされていることでしょう。おぉ、今現在その存在も認知出来ないUV様GM様。私はこの上なく至上で最高で幸福な市民ですっと。
だからZAPだけはやめてね。これ上に無い幸福な市民だよ?私は。たぶんね。タブンネじゃなくてたぶんね。

ちなみに、今回の私の戦利品は多機能性抜群の先代とあまり大差の無い黒のウエストポーチとこれまた同じ黒のリストバンドでした。
ちなみに、このリストバンド。結構今更感があるけれど、アレなんだよ。私の右腕、まだ包帯が取れる現状じゃないんだよね。しかも、服がセーターになっちゃってるし下はタンクトップだからかさっきからチラッチラ袖口から顔を覗かせてるんだよね。見られたら心配される上に変に気とか使われるんだよね。
主にあの図鑑所有者の四人組。…と、彼女はまだ持ってはいないのか。私の中ではその程度まったくもーまんたいだしあの原色三人組にとっても同じだろうけど。

まぁ、そんな実にくだらない理由で今更なリストバンドを買ったというわけで、早速装着。これなら、袖から包帯とか見えないっしょ。腕を捲くったりしない限りは。メンドーだけど。暑かったらやるかもしんないけど。そん時はしらん。



「つか、グリーンの買い物が長ぇ…」

「ヤァ〜ン」

「本当は性別女子なんじゃね?」



「なわけあるか。お前の方が早いんだよ」

「私がただの鞄購入にんな時間かけるような人間だとでも?」

「全く思わないな」

「ヤァン」


だろうね。
そんなことに時間をかけるくらいならば、私は家族たちとのスキンシップに使うに決まっているだろJK。ほら、ヤドンも同意してくれてる。
呆れ、眉間にしわを寄せ、ため息をこぼすグリーン。
折角のイケメンが勿体無い事すんなよと言えば、誰のせいだと睨みながら緑の瞳を私に向ける。明らか私のせいだね、謝る気などそんな無いけど。

そんなこんなくだらない会話を続け歩いていれば、タマムシデパートの出入り口が目の前にようやく現れる。…とは言いつつもデパートに入ってからほんの一時間しか経ってないけどね。
私が鞄とリストバンドの購入諸々で約二十分程度という即決ショッピング。グリーンはデパートに入って早々に別れたから丸々一時間使っていたということになるね、女子じゃん。
生物学上雌(笑)な私よりもずっと女子力高くないか?このイケメン。
天は二物を与えずとか、あれ明らか嘘だろ。こいつどれだけ持ってんだよ。


「あ、コレやる」

「…ペンダント?」

「危なっかしい上に怪我もするからな…」

「…そらどーも」



ぶっきらぼうに渡されたペンダントはどうもバリアアイテムらしくて、まぁワタル戦の時のあの大怪我のことがあればまぁ、うん。

形がどうもグリーンが持っているのと同じだということには今は気付かないフリをして。


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