サムん店は年内は29日まで営業するらしい。
なら30日は空いとんのやろ、ってことでBJのメンバーでサムの店を貸し切って忘年会をすることになった。
全員彼女もおらんと寂しい奴らやな。は?俺は来年にはムチムチエロボディの彼女が出来る予定やからええねん!
そんな話をしながらおにぎりやら気の早いお節を食っとったら、入口の扉が叩かれた。

はーい!と翔陽君がデカい声で入口に向かった。ほんまエエ奴やな〜、俺ならサムに出さすわ。つーか誰や本日貸切の看板見えへんのか。どこに目ェついとんのや。そう思いながらビールを流し込んだ。

「すんません、今日は貸し切――エッ!?!?!?」
「あっ!?えっっっっ!?あ、ひ、ひなたせ」

聞き慣れた声にビールも食いかけのおにぎりも置いて入口に飛んでいったら、やっぱりそこにはスーツ姿の名前がおった。

と、唐突な推しの供給〜〜!!
え、なん??仕事中なんか??パリッとしたスーツめっちゃ似合うやん??つーかそんな寒そうなかっこせんで!?俺がプレゼントした首に巻くやつしてくれとんのはめっちゃ嬉しいけど!

「名前!?なんでここおるん!?収録やなかったん!?」
「侑!久しぶり……!」
「名前!なんで大阪いんの!?」
「ヒョオッボクトサン……んん”……!し、仕事でね……紅白のリハでこれから東京戻るんだけど、移動中のお弁当をね、治に用意して貰ってて」

取りに来たの、ついでに侑と治の顔見れないかなって。
そう言ってにこにこ笑う名前はもう完全に天使やった。ハ??優しさの権化か??俺の顔なんて言ってくれたらいつでも自撮り送んのに言うてや。つーかなんなん?顔見に来た??は〜〜〜〜〜???愛しかないわ。めっちゃ好き〜〜〜!!

「名前、車乗せたらええか?」
「あ、うん!治、いつもごめんね。お仕事お疲れ様、よかったらこれ食べてね」
「ん"ん"ん"……!」

そう言って名前はサムが好きな菓子を渡した。もう気遣いの鬼やんか。前世でどんな徳を積んだらこんなええ子が生まれるん??
手伝えや、と言われてサムにつられるように店の外に出たら目の前にはでっかいバス。

「まって名前……こんなデカい車運転しとんの……?」
「アイドルのマネージャーはなんでもできるんです!」

ふんす、と自慢げに名前が笑った。
は〜〜〜〜??なんやそれクソほどかわいいのなんなん??しかも、こんな可愛いの権化が11人乗りのバス運転するとかなんやねんこれどんなギャップやねん!!俺よりこーんなちっこい体でこんな車運転すんのかいな!!あかんやろ、こんなん男の性癖刺さりまくるやつやんか!!

バスにみんなで弁当を積み込んで。助手席にはなんや書類がいっぱい積まれとって、その多さにほんま大変な仕事しとるんやな、と感心した。
年末も年始も働いとっていつ休んどるんやろか。久々に会った名前は相変わらずかわいかったけど、会うのが久々なんが寂しくてかなわん。今度またプレゼント送ったろ、と心に決める。ア〜〜自分の金で推しに貢ぐんめっちゃ楽しい!!
あれもこれもと考えとったら、車に乗り込んでシートベルトをした名前が窓から顔を出した。

「みんなありがとう!」
「名前ちゃん気をつけてな!!今度あかーしとも会ってやって!」
「絶対あかん!!赤葦君はあかん!!」
「名前さん!また今度飲みましょうね!運転頑張ってください!」
「は!?翔陽クンいつの間に名前と飲んどんの!?聞いてへん!もうトス上げへんぞ!!」
「うっせ……またな、名前」
「「呼び捨てすんなや!!」」

臣くんもぼっくんも出て来て店先でぎゃあぎゃあ騒いどると、俺らを見て名前が楽しそうに笑った。
アッ……浄化される……なんやその幸せそうな笑みは……。年納めに名前の笑顔とかどんなご褒美やねん……。

「あはは、お邪魔しました!じゃあまた来年もよろしくね、良いお年を!」

ブロロ、と重いエンジン音を響かせて車が消えて行った。マジであの車運転しとるんかー……。あ〜〜〜〜!俺の推しが今日もかっこかわいい!!




「んんんん!!ムスビイ組最高ーーーー!!完全に不意打ちだった〜〜!!というかみんなで忘年会とか仲良しすぎないですか!?は〜〜〜!来年の運勢大吉確定ですありがとう神様!!」


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