ノマドワーカーの仕事場

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「おーい、名前、いるかー?」

いつものようにロッカーの扉を叩いて声を掛けたサンジのもとに、返事が返ってくることなかった。聞こえなかったのだろうか、ともう一度扉を叩いたが変わらず返事はない。

男部屋の片隅にぽつんと立っているブリキのロッカーは、船大工であるフランキーが即席で作ったものだ。人が1人、なんとか通れるほどのロッカーの中には、名前という魔法使いが暮らしていた。

ことの始まりは、船長のルフィが名前の持っていた幻の島『オルレアン』のエターナルポーズをうっかり壊したことだ。結局27億というとんでもない賠償金を支払うため、麦わら海賊団は名前の旅の足となることが決まった。その直後、船長のルフィは新しい仲間だ!と宣言し、渋る名前を無理矢理巻き込んで飲めや歌えやの宴会を強行開催した。

ブリキのロッカーはその翌日に作られた。隈をくっきりと刻みながら忌々しいと言わんばかりに苛立った名前が要求したのがこのロッカーだった。海賊はハンモックで寝るんだ、と言ったルフィに「お前らみてぇな馬鹿でかいイビキ掻いて寝る奴と一緒に寝れるかよ。俺はお前らと違って繊細なんだ」と文句を突きつけて以来、名前はロッカーの中で眠っている。話を聞いた全員が「何言ってんだこいつ」という顔をし、ルフィですら「バカか?」と首を傾げたが、名前は本当にロッカーに『住んで』いた。

こんな狭いロッカーにどうやって。
まさか立ったまま寝てるのではあるまいな、と思ったルフィやウソップが扉を開けても中は『何も』入っていなかった。けれど確かにサンジ自身も名前がこの中に入っていって夜を過ごすことは知っている。名前がロッカーに消えた後、すぐにその扉を開けても中はがらんどうだった。
名前が魔法使いであることをまざまざと突きつけられた瞬間だった。

ルフィやウソップは不思議ロッカーに興味津々だったが、サンジは聞くのを諦めた。名前が答えないのはこの力を誰彼話されて立場が危うくなることを避けてだとわかったからだ。
過ぎた力を持てば良くない考えを持つ人間は出てくる。ましてや自分たちのいる海賊界隈はただでさえ『悪いヤツ』の世界なのだ。腕っぷしで乗り切る世界ではその力は見せすぎても、隠しすぎてもだめだ。分かりたくもないがよく知っていることだった。サンジの生まれた国も、そういう国だったからだ。

ルフィたちと違って、名前という男に未だ警戒感が消えない理由はそこにある。父親と呼ぶことすら厭う男の非情さと歪んだ性根に通じるものを、漠然と名前から感じていた。
名前はメリー号が嵐に合おうが、他の船と戦おうが自分の用事がない限りロッカーの奥から出てくることはなかった。それどころか、怪我をした仲間を見てもお大事に、の一言もなくふらりと箒に乗って出ていくこともしばしばある。
見張りもしない。戦いもしない。腹が減って飯を食うことや気晴らしに美女2人やチョッパーと話に興じることはあっても。

そういう約束だから仕方が無いと言えばそれまでだが、興味のない人間にはとことんまで興味がなく、我関せずを貫き通す姿勢は冷酷さを通り越して嫌悪に近しいものを感じる。博愛主義でいろとは言わないが、もう少し情をかけてもいいだろうに、と思ってしまうのはそれだけ自分がこの船に入れ込んでいるからだろう。

返事がない間に少し思考を飛ばしたが、考えても無駄だともう一度扉を叩く。ガツン、と軽い音がした。
三度目の正直。そもそも名前がこの中にいるのかもわからない以上無駄足の可能性もあるが、それだと少し予定が崩れる。

「おーい、名前!いるか?生スパイスあったら分けてくんねェか!?今日の晩飯に使いてぇんだが!」

半ば癖だった。飯という言葉を出せば飛んでくるルフィや酒と呟けば勝手に湧いてくるゾロと同じ扱いである。
しまった怒るか、とサンジがそう思うと同時に、ロッカーの扉に同じ色をした唇だけが浮き上がった。思わずビクッと肩を揺れた。普通にビビった。

「うおっ!?」
『――その声、コックか?なんだよ、今手ぇ離せねえんだけど』

いたのかよ。だったらもっと早く反応しろ。
内心で毒づくと同時にさっと周りに視線を送った。誰もいない。ビビったのを見られなくてよかったと胸を撫で下ろしつつ動く唇を見つめる。どういう理屈かはわからないが、ブリキのロッカーが喋っている。しかも名前の声で。また例の魔法か。なんでもアリだな、ともはや感心よりも慣れに近い。
とにかく本人がいるならさっさと話を進めたほうがいい。幸いなことに、名前の口ぶりではスパイスは無いわけではないようだった。

「……こっちが取りにいくんじゃだめか?どうしても今日の料理に欲しいんだ」
『今日の晩メシ何?』
「マッサマンカレー」
『あー……いいな、美味そう』

名前は意外と食い意地が張っていた。
ルフィやゾロよりは上品に食うし、それなりに教育を受けた所作を見せる。が、毎度メニューを確認するのは名前だし、食ったあとに満足そうにしているのも名前だ。
態度は俺様そのものだが、自分の出した料理を頬張って美味い、と満足そうに目を細める姿を見ていると、案外悪いやつではないかもしれないと思うときもある。

『……コック、お前約束は守れるタチだな?』
「あァ……まあ、よほど無茶じゃなけりゃ守るが……」
『余計なものに触るなって約束しろ。下手すりゃ死ぬからな。案内役を飛ばすから待ってろ』

名前がそう言うと同時にギイ、と音を立ててロッカーの扉が勝手に開かれた。空っぽのはずの扉の奥には真っ暗な闇が広がっている。その闇の深さはロッカーの奥行きには到底足りない。
どういう理屈だ、と覗き込んでいると、ぶわりと白いなにかが飛んできた。肩が思い切り跳ねて後ずさる。反射的に迎撃態勢をとったサンジの肩に止まったそれはほう、と喉を鳴らした。

「ふくろう……いや、真っ白……すげえな」

ひと鳴きして羽を畳んだ真っ白なふくろうは再びサンジの肩から離れてロッカーの奥へと飛んでいった。付いて来いということか、と腹を括る。
ロッカーの中に足を進めると、広く、暗い闇の向こうに小さな明かりが見えた。




「こりゃすげえ……」

想像もしていなかった空間にそわそわと心が落ち着かなくなるのがわかった。自分が約束を守れる質でよかったと初めて思った。ルフィが出禁になるのもわかる。
ふくろうに導かれるまま明るい方向に歩いて行けば、目の前に広がったのは研究室とも倉庫とも言えるような不思議な空間だった。
棚に入った虹色に光る小瓶、天井から吊ってある見たこともない植物、古めかしい本や小物、何に使うのかわからない道具。それらが所狭しと並んでいる。ロッカーの中とは到底思えない部屋が広がっていた。

「こっちだ、コック」
「いや……こりゃあ……。中は広いってもんじゃねえ。どうなってんだ」

先導していたふくろうは止まり木に止まったと思ったらその姿を木彫りの置物に変えた。思わず息を呑みながらも声のする方に足を進めていくと、名前が大きな鍋を掻き回しているのが見えた。鍋の周りには本が山積みになっているが、どれも年季が入っているように見えた。古い紙の匂いが鼻を掠める。

「空間と質量の拡大魔法だ。まあ、びっくりハウスってことにしとけ。で、生スパイスだったな?」
「ああ……アカワケギとガランガルが欲しいんだが」
「ちょっと待ってろ。――あった、ほら、受け取れ」

名前が鍋を掻き回しながら、指先をすい、と動かす。
その言葉と同時に棚の中からふわふわと瓶2つ、宙を漂ってきた。恐る恐る手に取って見れば、よく見るスパイスが中に入っている。好きな量を持っていけということらしい。

「相変わらずなんつーか……」
「なんだよ。見ての通り忙しいんだ」
「俺にゃ鍋をかき混ぜてるようにしか見えねェが」
「大鍋に込める魔力量、掻きまわすスピード、材料を入れるタイミング、掻きまわす回数と方向。どれか一つでも間違えりゃどんなに貴重な素材を使っても失敗する。料理よりも繊細なんだよ、魔法薬学っつーのは」

鍋から目を離さずにそう答えた名前に近づく。特に匂いはしないが水をかき混ぜているわけでもないらしい。中を覗き込んでも目や鼻に沁みるわけでもない。何を作っているのかと聞けば目の下に隈をくっきりと刻んだ名前がベリタセラムと答えた。聞き覚えのない名前だ。

「別名『真実薬』だ。要は自白剤だな。3滴も飲ませりゃそいつが持ってる情報を全部吐かせることが出来る。結構ニーズはあるんだ」
「なんでも……ねぇ……」
「信じらんねえなら飲んでみるか?お前の秘密、全部聞いといてやるよ」
「はは……遠慮しとくよ」

秘密、と言われて少し心臓が騒いだ。それぞれが色んな事情を抱えたうえでこの船に乗っている。当然、自分にもある。もう捨てた家。捨てた名前。誰にも言ったことはない、自分の中でひっそりと存在する不安や後ろめたさ。それでも居心地が悪くないのは船長であるルフィが海原のように些細なことだと一蹴してくれると信じているからだ。
今の自分は、麦わらの一味のコックである『黒足のサンジ』だ。それでいい。それがいい。

「それで、スパイス対価だが――」
「ああ、いくらだ?ナミさんやロビンちゃんも食べんだ、あんまフッ掛けんじゃねえぞ」
「対価は金じゃなくていい。その代わり俺の質問に答えろよ」
「ああ……まァそりゃいいが」

俺が答えられることなら。
そう言うと名前はそうか、と小さく答えて指先を舐めたあと、再び鍋へと向き合った。魔法使いの証だという黒いローブに隠れた背中を視界の隅に置きながら、瓶の中から必要な分のスパイスを取り分ける。お前さ、と名前が言った。

「ジェルマの人間だろ」

その言葉を聞いた瞬間、ぶわっと全身の毛穴が開く音が、確かに聞こえた。
なんで、どうして、いつから知っていた。みじん切りにされていく野菜くずのように、思考がぶつ切れになる。嫌な汗が肩甲骨の間を滑っていくのが不愉快で仕方なかった。どうして名前が知っている。そう聞きたいのに、喉が声を出せないほどに震えて力が入らなかった。

「その特徴的な眉毛と強靭な肉体、ALIVE ONLYの手配書。ヴィンスモーク家の欠番を冠する名前。少し考えりゃ分かるよ」

カチャカチャとガラス同士が擦れる音が神経を逆なでする。名前の言葉一つひとつが自分を追いつめていくようだった。逃げられない。知られた。バレた。よりによって一番厄介な相手に。ドクンドクン、と痛いほどに脈打つ心臓が全身を殴るように音を響かせていた。

「あの人間のクズみてえな国王のことだ。死んだことになっちゃいるが、あの男なら利用価値のある人間をみすみす殺すほど馬鹿でもない。生かさずって方針だろ。嫌気が差したお前は誰かの手引きか、運良く逃げ出したんじゃねえかと俺は思ってるが」
「……、お、れは、違う!俺は、」

名前の見立ては恐ろしいほどに正しかった。否定したいのに言葉が続かない。
ガラスの容器と鍋を弄っていた名前はようやく手を止めて振り返った。淡い銀の髪。青い海を閉じ込めたような美しい瞳がまっすぐに俺を見ていた。その瞳の奥には蔑視や金にしようとする欲は見えない。名ばかりの兄弟たちから送られた視線とは違う。
だとしたら、どうして。そう聞くよりも先に名前の眉が下がる。聞き方を間違えた、と言わんばかりの表情だ。

「ああ、いや、別にお前を売ろうなんか考えちゃいねえけど、こっからが本題。ちょっと聞きたくてな」
「……なん、だよ。俺、は、あいつらのことは――」
「なあ、家族ってそんなに大事か?父親とか兄弟ってそんな逆らえないもんか?」
「は?」

想像もしていなかった方向の質問に、思わず変な声が出た。けれど名前の視線は外れない。本当にこれが名前が聞きたかったことらしい。なんで、と思った言葉はそのまま零れていた。

「なんで……なんで、そんなことを聞くんだ……?」
「興味本位っつーか……。まあ、俺も似たようなとこがないわけじゃないからな」
「似たとこって、……まさか、お前、どっかの国の王子だったりすんのか?」
「っははは!!王子!!そう来たか!」

名前は快活に笑い飛ばした。どうやら違うらしい。
けれど俺は知っている。人の育ちは食事に表れる。バラティエを訪れる客やナミさんやロビンちゃんが品よく飯を食うのは、そういう風に育てられたからだ。きっと母親や誰かがきちんと教えたんだろう。そういう所作を、テーブルマナーを知っている。
名前から滲み出る品の良さは彼女たちやバラティエの客よりも上級のそれ、どちらかというとビビちゃんに近い。だから名前も王族、そこまで行かずとも貴族や爵位を持っている家の出なのではないか。

違うというなら、それでいい。人に言えないことはいくらだってある。名前の出自が言いたくないものだというなら、聞き出すようなことはしない。この船に影を落とさなければなんだっていい。
深入りするつもりはなかった。名前から無理矢理に聞き出そうと思わなかった。家族も。出自も。ただ一言、名前を信じてもいいという確証が欲しかった。
それなのに、名前は跪いた。あの国にいた、数多の兵士たちのように。そっと胸に手を当て、伏せた瞳から感情が消える。長い睫毛が、瞬きのたびにふるりと震えた。

「殿下、下賤のものが御前と弁えず無礼な発言をいたしましたこと、お許しください」
「フザケてんのか」

大仰に片膝をついてそう言った名前に思わず低い声が出た。王族扱いは不愉快だ。昔を思い出して虫唾が走る。
立ち上がった名前は「悪い悪い。おふざけがすぎたな」と軽い調子で謝った。こいつの考えていることがわからなくて頭を掻きむしりたくなる。苛つく。腹いせにタバコを吸っていいかと聞けば即刻「駄目に決まってんだろ。マンドラゴラが肺癌になる」と切り返された。本当に茶番だったらしい。

「それで、さっきの。どういう意味だ。似たようなところってなんだよ」
「ああ、生まれがちょっと特殊なのは当たり。俺さ、獄中児なんだよ」

獄中児。それは。
なんとはないように言われた言葉に思わず喉が詰まる。なぞる様にその言葉を繰り返すと、名前は頷いた。

「俺の父親も母親もアズカバン、ァー、監獄にいて、俺は獄中で生まれた犯罪者のサラブレッド。俺の世界には純血主義って奴らが結構多くてな。犯罪者の掛け合わせは穢れた血にも劣るってわけだ。けどな。ーー使い道もないわけじゃない」

ただでさえ一枚岩ではない社会だ。先手を打たなければ負ける。だから、いつ、どんな不意打ちにも動じないために不穏な動きを知る必要があった。必要なのは情報だった。だから、世界のありとあらゆるところに、「耳」と「目」を仕込むことにした。
どこに紛れさせても違和感なく溶け込めるように。どんな人間の中に紛れ込ませてもうまくできるように。光にも闇にも、混じり合う薄闇にも溶け込める無色透明の人間が必要だった。

闇の軍勢が再び世界を脅かすその日まで。備えよ。潜めよ。怯え、恐れ、疑心暗鬼になる人々の心から完全に闇を祓う、その日まで。
来る『いつか』使えるように一切を詰め込まれた。名前はそう言った。

「案外、そういうは俺以外にもけっこういてな。寄せ集められた場所じゃ兄弟って言われて育てられたけど、実際は弱肉強食の世界だったよ。兄弟に逆らえないんじゃなくて、逆らわないと死ぬんだ。だから兄弟に逆らえねえって意味がわかんなくてな」
「お、まえ……」
「なあ、兄弟ってそんなに思い入れがあるもんか?ずっと心の奥底に居座るようなもんなの?」

そう聞かれて、返す言葉がなかった。あいつらはクソだ。思い入れなんかない。でも、鍋の底に張り付いた汚れみたいに、心の奥底にいることは間違いなかった。こびりついて、どんな洗剤を使っても落ちない汚れ。どんなに他の料理を美味しく作っても、ふとした瞬間に舌を刺す苦み。それと似ている。はがしたくて、消したいのに、消えてくれなかった。

地下室に響く笑い声。枷の中で揺れる頭。僅かな隙間からしか見えなくなった世界。痛い。いやだ。もう奪われたくない。逃げたい。関わりたくない。
――けれど、殺してやるとは。復讐したいとは思わなかった。
これは思い入れなのか、諦めなのか。もうわからない。ただ思うのは、二度と俺の前に現れてくれるなという祈りにも似た願いだった。
言葉にならない重い感情だ。話せない。話したくない。話してしまえば俺は、『ただのサンジ』には戻れない。そんな気がした。

ゴクリ、と唾をのみ込む。喉仏が動く。そんな動作一つひとつが心を乱した。心臓の音もさっきから大きさを増していた。「俺ァ……」と時間稼ぎにもならない言葉が零れる。
名前の視線はずっと俺をここへ縫い留めていた。回答を待つ瞳は凪の日の海のような穏やかさだった。綺麗な碧い瞳が白い砂浜に続く浅瀬のように美しかった。夏島の、爽やかな海を思わせる。同時に、絶対に逃がしてくれない夜の海のような怖さがあった。飲み込まれればあっという間に引き離されて孤独になる。ひとりきりになる怖さを、暗い海の底に引きずり込まれていく不安を与えてくるような、不思議で、底知れない瞳だった。
呼吸が、止まる。

「――よし、成功だな。1ヶ月掛けた甲斐がある。後はこれをサイファーポールの奴らに相場の5倍でふっかけて……」

はっ、と意識を取り戻したのは名前のそんな打算に満ちた、明るい声が聞こえたからだ。
パチリ、とひとつ瞬きをした名前の瞳からは夜の海の暗さは消えていた。波の狭間にあっという間に消えていってしまったようだった。海はすべてを飲み込む。善いものも。悪いものも。
だったら、今の名前の瞳の奥にあったものは善いものなのだろうか。今の名前は、奥底にいる名前なのか。

「今の、お前、どこまで」

聞かなければいいのに、俺は聞いた。流すべきだったのに、踏み込んでしまった。
知りたくなってしまった。俺の前にいる名前のことを。俺と同じように、家族を家族と呼べねェ名前を。海も空も、自由に駆け回る名前を。
――帰ってもいいことなんかねぇはずなのに、魔法使いの聖地『オルレアン』を探して帰ろうとする名前を。

「どこまでが、本当なんだろうな?」

そう言って、名前は綺麗に笑った。



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