「ぶ、っくく…」

「どないしたんや」

「見てよ白石。これ…」



昼休み。笑いを堪えきれてない私の元にやって来たのはテニス部でマネージャーやってる私とそれなりに仲が良い白石。その白石にすっとケータイ画面を見せれば案の定白石もぶっと噴きだした。



「何や、このアホ面は」

「せやろせやろ?ベストショットやと思わへん?」



私が撮ったのは隣の席の忍足謙也の写真。当の本人は笑いのネタにされている事はつゆ知らず、すやすやよく眠っている。



「こないにアホ面で隣で寝られたら写メりたくなるやろ?」

「せやなぁ……俺も一枚撮っとくか」



珍しく白石も悪ノリするな、そう考えていたらのそりと起き上がってきた謙也。起きてしもうて残念やなぁ白石、そう言おうと思ったらパシャリと機械音が教室に鳴り響いた。



「ちょ、これ見てみぃや!」

「えっ、何……ぶっ!」



白石が撮った写メに写っていたのは目が半開きに、しかも白目を向いてる謙也の姿。イケメンが台無しだ、あはは。謙也は未だに眠たそうな目を擦りながら私と白石を見ている。



「何やってんねんお前ら…」

「何って……写メをなぁ?白石」

「せや。イケメンな謙也の寝顔をちょっとなぁ」

「ちょ、お前ら何やってんねん!写メ見せろや!」



見ない方が謙也的にはいいのになぁ、と思いつつ白石と私は同時に自分のケータイ画面を謙也に見せれば。



「ドアホ!!お前ら今すぐ消せや!」

「嫌や!消さへん!白石も何か言ったって!」

「こんなオモシロ画像めったに撮れへんさかい消すんはもったいないやろ、謙也」

「そういう問題ちゃうわ!」



必死になっている謙也の反抗も虚しく、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。私が撮った寝顔の写メを財前に送ったらその日の放課後に随分財前にからかわれたらしい謙也に怒られた。白石が撮った写メはどうなったのかは知らないけど、きっと白石のことだからいつかのための切り札として取っておくのだろう。ドンマイだなぁ、謙也。



写メを撮る



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企画「トライアングル」様に提出





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