ヒソカ誕生日お祝い小説
2014年6月6日に、一日限りでヒソカ誕生日お祝いイベントをさせていただきました。
トップページをヒソカお祝いの特別仕様にするとともに、ヒソ誕お祝い小説をアップさせていただきました。以下はその時のお祝い小説です。
ヒソカとイルミが会話しているだけのお話です。
夢要素はありません。
*
DATE:06/05
日付がそろそろ変わろうかという深夜、仕事を終えたイルミ=ゾルディックは、自室で愛用の針を磨いていた。通常戦闘用の針、脳内埋め込み用の極小針、長い年月をかけてオーラを染み込ませた特別仕様の針、自分の一部になりつつあるこれらの武器達をそっと手に取り、一本一本丁寧に磨いてゆく。
背後でカタン、と微かな音が鳴った。その途端イルミは手に持っていた針を視線も動かさずに後ろに投げ付けた。ビュッと音を立てて風を切る。
「おやおや、危ないじゃないか◆」
「……何の用?」
背後の闇から姿を現したのは、奇抜な格好に奇抜なメイクを施した怪しげな男。名をヒソカ。一応、イルミの友人と言える人間だ。そのヒソカは、先程イルミが投げ付けた針を指先でオモチャのようにクルクルと弄んでいる。
「ボクを殺す気かい?」
「殺しても死にそうにない顔をしているくせに」
「顔?ボクのメイクの事かい?」
「……存在がだよ。はぁ…で、わざわざゾルディックの屋敷に侵入してまでして、オレに何の用?」
不機嫌なオーラを出しているイルミをものともせずに、ヒソカは勝手に椅子に座り話を進めていく。
「キミ、ボクの誕生日知ってるかい?」
「誕生日?…6月6日?」
「その通り◆では、今日は何日だい?」
「…6月5日。もうすぐ6月6日になるけど」
「そうさ、その通り♠」
「………で?」
「『で?』って…分からないのかい?後数分でボクの誕生日じゃないか♣」
「ふーん………あっそ。」
「…………いや…ほらもっと他に言葉があるだろ?『おめでとう』とか『プレゼントは何が欲しい?』とか」
「…おめでと。で、何歳になったの?」
「全くキミは…。ソレをボクに聞くのかい?」
こくんと頷くイルミ。
「知りたいんだネ? ククク、でも教えてあげないヨ◆」
その言葉は無表情のイルミの顔をさらに無表情にさせた。
「奇術師はね、手品師でありながら道化師である人間を指すのだよ。そして道化師は己を偽り他人を騙す存在。つま…」
「つまり年は言えないって事?」
「その通りさ◆……なんだい、不服そうな顔をして」
「…別に」
イルミはそっぽを向いて、鋲磨きを再開した。そんなイルミにヒソカはついと身体を寄せる。
「そんなに知りたいのなら、耳打ちで教えてあ・げ・る・よ♥」
「いらない。」
即答するイルミをヒソカはニヤニヤ顏で覗き見る。
「何照れてんだい?キミは全く可愛いねぇ」
「ねぇヒソカ、言葉通じてる?」
「あぁ、通じてるよ◆」
はぁ、と大きな溜め息をついたイルミはげっそりした顔でヒソカに向き合った。
「ねぇ、もう帰ってくれない?」
「なぜだい?」
「何か、ヒソカと喋ってたら疲れたから」
「そうかい、疲れたなら一緒にお風呂でも…」
「ん」
「なんだい?」
「ん。」
イルミが指差した方にヒソカが視線を向けると、そこには部屋の扉があった。
「帰り道はあっち」
「ちょ……イル…ミ?」
「道間違えないでよ。色々壊されると面倒だから。」
「………」
有無を言わせぬイルミの態度に、ヒソカは言葉を続けるのを止めた。このまま話しても平行線だろう。ヒソカは肩を落としたまま扉に向かう。しかし、ヒソカがノブに手を掛け扉をギーと開いた瞬間、イルミが思い出したように声を出す。
「あ、ヒソカ、ちょっと待って。」
「なんだい?まさかボクを返すのが惜しくなったのかい?」
そんな言葉を無視ししながらイルミは取り出した紙にさらさらと何かを書いてゆく。
「はい。これ、請求書。ヒソカが侵入で壊した赤外線感知型レーザー13台と高圧電圧線と対侵入者用トラップ複数台とその他諸々含めて、1450万ジェニー。今回もまた派手に壊したね。」
その言葉にヒソカがピシッと固まる。
「ヒソカの口座から引き落としておくね。じゃ、バイバイ。」
そう言い放つと、イルミはヒソカに目をくれずに扉に手を掛ける。重厚な作りの扉が固まるヒソカを余所に、ギギギ……と錆び付いた音を盛大に立てながら閉じてゆく。そして、ヒソカはだだっ広い廊下に一人ぽつんと残された。六月にして肌寒い風がびゅうっとヒソカの脇を通り抜けてゆく。その寒々しい静けさの中、ヒソカはそっと口を開く。
「全く…イルミは照れ屋で困る……本当に…本当に、ね……」
屋敷を去るヒソカの背には哀愁が漂っていたとさ。
FIN
ヒソカ、お誕生日おめでとうございます!!!!
冷めたイルミとポジティブシンキングのヒソカの絡みって萌えます/////えへへへ、二人とも可愛い//////
いつまでも、ミステリアスなヒソカでいてくださいね!!!
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