歌?


(誰かいるの、)


思わず私は小走りになったドレスの裾を持って、だってずっと待ってるのに…誰も迎えに来てくれない。
控室を出ても誰もいなかった、皆‥‥私を置いて何処に行ったのだろう?

彼は人を驚かすのが好きだから…これも演出なのか、私は一人虚しくウエディングドレスを着たまま式が上げられるはずであった教会までやって来た。


「―――‥っ、いるのか?」


重たい扉を目一杯押して、私は彼の名前を呼び中へと入る。
少々薄暗が窓には目一杯ステンドグラスが敷き詰められ陽の光りが入るととても幻想的な色彩をあらわし、天井には美しい絵画の世界が広がっていて見惚れた私の横顔を見た彼が予算も気にせずここにすると言い張ったのだ。

あぁ……やはり美しい教会だ、今日をとても…私は楽しみにしていた、なのに‥どうして誰も?少しだけ泣きたくなって唇を噛んで、二人で立つはずだった祭壇を見据えた。


(……………?)


涙でぼやける視界に…美しい輝きを放つステンドグラスを見つめている男性の後ろ姿を今更捉えた。


「あ、の……」


化粧が落ちないようにそっと涙を拭きながら声をかける、スーツを着てスラリとした男性は彼の友人?そう………だよな?だって此処の教会を今日借りてたのは私達だけだったのだし。


「彼は来ないよ、」

「…………え…」

「皆もどっか行っちゃったみたいだね、俺しかいないでしょ?」


クルリと私の方を向く男性の顔はとても朗らかである、そして一歩……私の方へ…


「あなた…誰ですか?どうして皆いないの、」


私も一歩、男性の方へと歩みを進める。


「君の本当の旦那さん?王子様?運命の人かな…」


手を広げて口元を怪しげに歪める男性、気味の悪い…けれどこんな悪い冗談を言う男性は彼の仕組んだ何かなのだろうか?
私は歩みをまた一歩…一歩と男性の方へと。


「あっ……!!」


すると何もないはずの場所で私は足を取られた、取られて倒れそうなはずであったのにスーツの男性が…私を抱き留めていて……それより‥これは………?









「な…にこれ………」

「あぁ…もう…」


シズクめ…吸い忘れか?折角良い雰囲気だったのに。


「なに…なにっ……な、んで」


綺麗に着飾ってくれたのに、それで君の大好きな教会で二人きりでさ…


「ごめん、汚れちゃったね」


純白のドレスの裾が薄汚れた血に染まる、君は体を震え上がらせて俺の腕を掴んで大きな栗色の瞳を緋色にさせた。
それから緋色に染まった瞳から大きな雫が次々と、嫌々と駄々をこねるように頭を左右に振る君はこの自体にちょっとパニックになったみたいで…

俺は羽根みたいに軽い君の体を抱き上げる、今にも悲鳴を上げて叫び出すんじゃないかと思うくらい混乱してて


「ね、ぇっ…なんで……なんでっ」


さっきまでじっと俺を見つめててくれたのに…


「これ?さぁ‥何だろう。」


何でこんなわかりやすく残しちゃうかなぁ…俺は椅子と椅子の間に隠れて見えなかった真っ赤に染まった死体を踏み付けた。


「いやッ…!!やめてよ、やめてっやめてやめて!」

「ならこっち見て、」

「う、っぅ……やだぁ……いやぁ」

「俺のこと見てくれたらやめてあげるって、」


泣く顔も可愛いなぁ…でもいつまでもこの汚い死体踏んでたくないし、君は悲鳴を上げて俺が踏み付ける…君が足を躓かせた処理し忘れの死体をずっと見たまま。
あー…このまま蹴ったら頭飛ぶかな首の骨も折れてるし、皮膚も切れてるし…

なんて考えてたらしゃくり上げながら君は俺を見つめた、緋色の美しい瞳で涙で濡れて可哀相なくらい目元が赤くなってる。


「ずっと見てて、」


柔らかい頬に唇を寄せて


「他人なんか見ないで、」


次は目元、君の唇は悲鳴を上げまいと必死に噛んで。


「今日此処で俺と一緒になろう、」


訳わからないよね…でも俺は君のことずっと見てたんだよ。
綺麗な緋色の瞳をする可愛い女の子、最初はそれだけだったのに暇さえあれば観察した可愛い顔して笑ったり、怒って泣いたり、わざと街でぶつかってみた事もある親切なんだね他人なのに。
この執着っぷりに団員も呆れた……俺が一目惚れとは気味の悪い。

だから君が他人の物になるのは許せなかった、他人の物になるなら俺のものにしよう。
これは俺の我が儘だから集まれる団員だけで良いって言ったけど俺の執着を知ってか全員集まって、集まった客も君を俺から奪う男も皆殺した…殺して始末して…


(本当に良かった……)


殺して…だから君が俺の腕の中にいる、微笑みながら俺は祭壇へと歩みを進めて君を下ろす。

小さな手を握り締める君の左手を取り薬指を絡めた、肝心な物を忘れるなんてらしくない…君の事になると冷静でいられなくなるんだ俺。


「死んでも君を離さない…」


なんて満ち足りた現実だろう、もうこの夢は醒めない…だって夢じゃないんだ。

これからずっと一緒だね彼より愛して上げる……いいや彼なんかよりずっとずっと愛してあげる、神様なんて信じてないけど今此処に誓うよ。






僕のお城に君を閉じ込めてのぶな科くり様より
相互記念として素敵な素敵なクロクラ小説を頂きました!

こんなに早く仕上げて下さって
感謝感謝でいっぱいです( ; ; )

いやぁもう管理人…図々しくも「下衆なクロさん下さい!」だなんて個人的な趣味丸出しなリクエストを抜かしやがった訳なんですが

もうっ!!なんなんですかクロさんのこの素敵なゲスっぷりは!!鼻血


いやいやいやいやお師匠ー//
短期間でこんな文が書けてしまうだなんて素晴らしすぎますよお師匠ー(´;ω;`)//


ウエディングクラピーて…
ウエディングクラピーて…

か わ い す ぎ る だ ろ 。

うああああああああああああ(落ち着けない)


それにクラピーが欲しくて欲しくて周りのみんなを殺しちゃうGUESSなクロさんてGUESSなクロさんて……

うああああああああああああ(落ち着けない)


それにそれに描写がとっても匠でらっしゃって
ステンドグラスなんて綺麗なものから真っ赤に染まった死体まで鮮明に頭の中に浮かんできて終始引き込まれました!!

ああくそっ
ぶな科さまの文章力が切実に欲しいです一体どんなものを口にしたらこんな素敵な表現力がつくのですか教えてくだs(自重)

むきぃぃぃ世の中不平等だぜこんちくしょー!!

あーもう…私みたいなぺーぺー野郎がこのような過呼吸貧血にやにや目眩発熱必須な破壊力抜群な(※めっさ褒めてます)文章を頂いていいんですかね!バチがあたりそうで怖いですよ!

うぅ…
ぶな科さま、本当にありがとうございました(;;)

恐らく普通に無理ですが
私もぶな科さまに一歩でも近づけるように日々精進してまいります!キリッ

これからも勝手に師匠と崇めて参りますので(こら)
どうか温かい眼差しで見守ってやってください//
そして改めまして
この度は相互していただきありがとうございました(^^)

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -