最近、よくわからないけど影山が怖い。練習中にめっちゃ鋭い目つきで私のこと睨んでるし、明らかに殺気が出ている。え?私何かした?心当たりがまるでないのに、何故か後輩に睨まれてるからとても怖い。嫌われてるのかなぁ。でも話しかけると怖い顔じゃなくなるんだよなぁ。なんかこう、顔を真っ赤にして逃げちゃうんだよ。影山わけわかんねぇ。そんな影山の意味不明な行動に疲れた時、決まって私はノヤに甘える。

「ノヤ〜〜」
「おう!座り込んでどうした?」
「お尻が床にくっ付いたー立てんー」
「何だそれ。仕方ないな、ほら掴まれよ」
「引っ張って〜」
「よっ」
「いやんっ!ノヤってば男らしい!かっこいい!」
「ふふん、まーな!」
「ん?くんくん。ノヤのTシャツ良い匂い〜」
「犬か」
「めっちゃ良い匂い〜」
「ちょ、首に鼻寄せるなよ。くすぐってぇ」
「ふんふんふんふん」
「ふ、ふはっ!やめろって!…ん?どうした?龍」
「……い、いや」

 ノヤっさんとなまえちゃんはめちゃくちゃ仲が良い。なんかも仲が良すぎて付き合ってるのか?ってくらい。でも本人たちは付き合ってないと否定している。付き合ってないのにこのいちゃつき様はおかしい。誰がどう見ても周りにハート飛んでるしよ。これで付き合ってないって何だ。。ていうか他に好きな人いるってマジか。誰だよ。好きな人いるならノヤにあれだけスキンシップ激しいのはちょっとどうなんだ。ということから俺は彼女を魔性の天然少女と呼んでいる。魔性と言っても別に害があるわけではないが…若干一名、よろしく思ってない奴がいる。

「オーイ影山!何みょうじ先輩のこと見てんだよ…って顔怖っ!こっっわっっ!!どうやったらそんな般若みたいな顔になれるんだよ!?」
「うるせぇ日向クソボゲェッッ!!」
「ぎゃああ」

 一年の影山はおそらくなまえのことが好きだ。いやおそらくじゃない。確実だ。いつも決まってなまえがノヤにちょっかいを出す時にとんでもなく恐ろしい顔で練習しているのだ。今もジッとなまえを見ていたし、おそらくこの事実に気づいていないのは日向とノヤとなまえの本人達だけだろう。なまえから直接害があるわけではないが、影山が日向に八つ当たりしているのは間違いなくなまえが原因である。



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