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いはく、あいゆえに

(某、曰く)

「場面はどこでもいいです。公園教室。お店は他のお客さんに迷惑がかかります。自分たち以外いないような場所が好ましいです。森でも山でもどこでもいいです。二人です。話してます。普通のお話です。相手は可愛いです。外見的な意味か中身的な意味かは好きに取ってください。とにかく可愛いんです。好きです。好きで好きで好きで好きでおかしくなりそうなくらい好きなので発散したいです。ストレスを発散する時は身体を動かすのがいいそうです。身体を動かします。ありったけの力を込めて身体を動かしたら相手を殴っていました。いたいと思います。私ならいたいです。かわいそうだなって思います。思うんです。思うんですけど、相手の、こちらに向けてくる目がたまらなくなって思考が停止します。震えてるかもしれません。痛がってるでしょう。いきなり何するんだと憤っているかもしれないですが、何より、何故いきなり殴られたのか。何で私に殴られたのか。何もしてないのに。なんで、なんでっていう、動揺?驚愕?そういったものが何よりも大きく揺れてるんです。それは信頼故だと思います。まさかそんなことするはずないっていう思い。私のことをまるで知っているような思い違いをなさっているので。そんなことないよお前って。気付かせてやりたいその勘違い正してやりたいそういう親切心でもあるんです。多分。感情ばかりが先にたって明確には見えませんので、言葉にするより身体に任せてしまいます。赤子が泣きわめくようなものです。上手く言えないんです。だから殴ります。反撃が怖いから手足は封じます。殴って、殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って、殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って、殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って。意識を無くしたところで多分ようやく我に返るんです。それで、虫の息な相手を見て強大な罪悪感が押し寄せます。ごめんなさいって思います。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいって謝りながら抱き締めます。ぜひゅーぜひゅーと弱った息が身体に当たります。いとおしくなるんです、たまらなく。弱りきって、全てを委ねてきてるところに、たまらなく愛しさを感じてしまって。だから、多分、また同じことをするんです。回を重ねるごとにエスカレートしていくのかもしれません。愛です。」

(愛、しかるに)

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