誓い

結局、田嶋さんは俺を手放すことによって、組のNo.2の地位を勝ち得たようであった。
田嶋さんは大喜びで、機嫌がいいらしく、事務所は連日酒盛りをしているらしい。

だが、機嫌がいいのは田嶋さんだけで、他の皆は不満が残っているらしい。なんで御園さんだけが、なんて言って心配してくれているようだ。
本当にいい奴らばっかりだ。
一度、噂を聞いて皆が本家に乗り込んできたことがある。まあすぐ俺が駆けつけてその場は収めたけど。

「なんで御園さんがそんな人身売買みたいな真似をさせられなきゃいけないんですか!」
「俺たちせっかく助かっても意味ないっすよ!事務所に御園さんがいないなんて!」
慕ってくれた部下たちは今にもドンパチを起こしそうな勢いだ。

「大丈夫ですよ安心して、こっちでの待遇はいいし、死なずに済んだんですから」

「でも、御園さん…まさか、本家のやつらに変なことさせられてるんじゃ…
御園さん綺麗だし…」

「何言ってるんですか。大丈夫ですよ、こんな180弱の男に対して何もしてきたりしませんよ。」
一瞬ギクっとなったが、笑顔でかわす。

「そんな…。でも、何もなくてよかったです。気をつけてくださいね。何かあったら、俺たちが絶対なんとかします。


…それで、いつか絶対うちの事務所に戻ってきてくださいね。待ってますから。」


この3年で築いた大切な仲間だった。
絶対、彼らを守りたい。
無欲な自分に人間らしい感情を与えてくれた皆に、感謝していた。

それと同時に、誓った。
何が何でも、この使命をやり遂げて見せる。彼らに危害を加えさせないために。


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