掌に愛



俺には願望がある。まぁ、誰しも一つはあるだろう願望が。
ただし、それを実現させようなんて考えたこともなくて、願望ではあるが、それはあくまでも、そうしたいな、という願いでもあって、だからっ…。

「……」
「……」

助けてほしい…心底。

「留三郎…」
「……っ」
「…何だこれ?」
「俺が知るか!!」

本日、俺、こと食満留三郎と潮江文次郎の片方の掌が…離れなくなりました。
俺の長年の願い、とは、長年の好敵手でもあり、かつ、片思いの相手…『潮江文次郎と手を繋ぐ』というものだった。
我ながら女々しい願いだが、男同士で気持ち悪がられる可能性の方が高い恋、しかも好敵手と手を繋ぐという状況は、取っ組み合いの喧嘩でもしなければ成立しない状況であって、喧嘩無しでこんな状況になるなんて、珍しいどころではなく、今の俺の心境と言えば…大混乱である。
何だ、これは本当に何なんだ。俺の心臓が持たないんだよ!!



そもそも、何故このような状態になったのかというと、事の始まりは数時間前に遡る。

『うどん屋?』
『おう、皆で食いにいかないか?』

忍術学園の会計室で文次郎が首を傾げるの見て、俺はうなずいた。
珍しいことに、今回は予算申請でも、それに対する文句でも無い。ただ、六年皆の予定が丁度開いた午後、みんなで昼飯でもどうか?と、言うのを伝えに来ただけである。
文次郎は開いた休みに、少しでも帳簿を整理しよう…と思っていたようだが、この男、放って置くと、開いた時間は大体、帳簿整理か鍛錬か勉強しかしていなく、とくに予算会議が近づくと、いつまでも会計室に齧りついているので、たまにこうして、声を掛けて休憩させてやらなくてはいけないのだ。
ちなみにこれは、当人を除く六年の暗黙の了解であり、大抵、気絶させるか、薬を盛るか…と、少々物騒ではあるが、皆何だかんだ文次郎の身を案じている。
予算に不満はあるけど、一応分かってはいるんだよ、会計委員会が忙しいってのはさ。


今回の昼飯も、連日徹夜が続いていた文次郎の為のようなもので、文次郎もそれを多少なりとも理解はしているので、手元の帳簿を少々名残惜しそうに眺めていたが、それをパタンッとそれを閉じて、口を開いた。

『行く』

いつもは眉間に皺をよせているその顔が、少し和らいだ。目元もどことなく優しい。
…嬉しそうだ。俺はこの顔にとても弱い…。

『おう…』

いつもこんな顔してれば良いのに、なんて思うけれど、コイツの小さい変化に気づけるヤツなんて早々いないのだ。と思えば、優越感も感じる。
ドキドキする心臓を必死に抑えていると、文次郎と目線が合った。

『お前…』

文次郎は俺をジッと見つめて、暫く考えるような仕草をした後、ハッとした顔をして、俺にズイッと顔を近づけた。

『風邪か!?』
『は…』
『妙に顔が赤いと思ったら!!』
『え、ちょっ』
『病人は動きまわるもんじゃねぇだろ!!無理すんな!!』
『だ、え』

どうやら俺が風邪を引いていると解釈したらしい文次郎が、俺の額に手を乗せて熱を測ろうとする。しかし、俺の心境から言えば、たまったものではない。ただでさえ、文次郎にバレるぐらいに顔が赤いうえに、顔を近づけられて混乱中なのに、文次郎の掌に例え額であっても触られたらどうなるか……死ぬ!!!恥ずかしい!!
なので、俺は文次郎が俺の額に触ろうとするのを、阻止するべく、自分の手でそれを防御した。結果…。

『いいから!!俺は風邪なんて引いてね……えっ』
『…は?…え?』

俺は文次郎と指を絡めて、所詮恋人繋ぎの形が完成してしまった。
それはまぁ良い…いや、それだけでも俺の心臓てきには良くないけど、直ぐに離せば良いだけの話である。だが…。

『お、おい、留三郎、手離せって』
『は?も、文次郎こそ…』
『って』
『…え?』

俺たちはお互いの言葉が噛み合っていないのを理解して、繋がった掌をジッと見つめる。文次郎が引きつった笑顔で俺を見るので、俺も同じく引きつった笑顔で文次郎を見た。

『と、留三郎』
『お、おう…』
『せーの、だぞ?せーのっで剥がすからな?』
『あぁ』

『『せーのっ!!!』』

結果。

『『いってぇぇぇぇ!!!!』』

何故か俺と文次郎の掌が離れない状況になってしまったのだった。


そして現在、会計室から出ることが出来ない俺と文次郎は途方に暮れていた。
が、おかしい、おかしいと思うのだ。俺のそんな疑問を、文次郎が口にした。

「なぁ…おかしくないか?」
「…あぁ俺もそう思う」
「六年でうどん食べに行く約束をしたんだよな?」
「あぁ」
「それで、お前が俺を呼びに来たわけだ。だが、お前が俺を呼びに来てからかなり時間がたったはずだ…なのに」
「……」
「あいつらが迎えに来ない…つーまーりー?」

そうつまり、

「俺たちは」
「ハメられたってこと…かよぉぉぉ!!!!」

文次郎が叫ぶと同時に、俺も泣きたくなってきた…アイツら…っ
そうして、ここに来る前に伊作に掌に軟膏を塗ってもらっていたのを思いだした。

「…あっ!!」
「あ!?」
「もしかして、あれか、あれが原因か」
「何だよあれって」
「実は…」


ここに来る数時間前。

『留三郎』
『あ?』

は組の部屋、伊作はいつもの自分のスペースに座って、貝殻に入った薬を開くと、俺に手招きをした。

『何だよ?』

呼ばれたので、俺も伊作の目の前に座ると、伊作はそのまま無言で俺の手をガシッと掴んで来た。

『!!』
『あーやっぱりねぇ』
『はぁ?』

突然の伊作の行動に意味が分からない、と首を傾げる俺の掌をマジマジと見た伊作が、うんうんと頷く。

『留三郎、あかぎれ酷いよ、まったく』
『えぇ?』

そう言われて自分の掌を見れば、確かにお世辞に綺麗な手とは言い難く、用具員会の毎度の仕事でボロボロだった。それに少しだけ痛いかもしれない。

『今気づいたみたいな顔しないでよ』
『…わ、悪い』

そんな俺に、伊作はため息をつくと、先程の貝殻を取り出した。

『これ、一応軟膏だから、塗っておくね』
『え、良いのか』
『良いって、いいって』

と、いって、軟膏を塗ってくれたのだった。伊作の優しさが嬉しくて思わず笑う俺に、伊作も笑顔で返してくれたのだが、一通り塗り終えた後、

『はい、これで良いよ』
『おぉ』

軟膏の効き目なのか、カサカサでボロボロだった掌が少しだけマシになったように見えた。それを感じながら、自分の掌をマジマジと見ていると、伊作は俺に笑顔で爆弾を投下したのだ。

『好きな相手を手を繋ぎたいなら、掌の手入れも大事だよね』



『は…はは』
『文次郎だってすべすべの掌の方が良いと思うよ?』
『う…』

実は、文次郎を除く六年生全員は、俺が文次郎に片思いしていることはバレバレだった。ただ、皆、人の恋路に茶々を入れるのが大好きらしく、何かと邪魔したり協力したりしてくれるのだ。邪魔されるのは腹が立つけど、協力してくれるのはありがたい。伊作に言われてもう少し自分の掌を大事にしようか…。


と思っていた矢先にこれである。むしろこれをやる為だけに、あの言葉を掛けたのかもしれない。

「あの野郎ぉぉ…」
「留三郎?」

開いた片手で頭を抑える俺を、文次郎が少し心配そうに見ていたので、俺は取りあえず、事の経緯を掻い摘んで説明した。



「……へぇ…」
「あのとき、伊作に塗って貰った軟膏が何かしら作用してんだと思う…」

…説明したまでは良いのだが、文次郎が凄い形相で苛立っているのが分かる。

「も、文次郎?」
「あぁぁ!?」

怖い、こえぇんだよ!!何だよ、確かに俺が悪かったけどそんなに怒ることか!?
確かに俺にとっては長年の夢が叶って幸運だったけど、お前にとっては、野郎と手を繋ぐなんていう最悪な展開だもんな!!…っそりゃぁ、嬉しくねぇだろうけどよ…。
あぁ、何だ、自分で言ってて悲しくなってきたな。くそっ

「わっ悪かったよ、伊作がいつになく優しいから、つい気が抜け…」

とにかくこの兼は俺が悪いのだし、と、俺が文次郎に謝罪の言葉をかけると、文次郎の眉間の皺がグッと寄って、文次郎が俺の言葉を遮るように怒鳴った。

「こんのバカタレがぁぁぁ!!!」
「っ」

その声に俺が少し怯むと、文次郎が間髪入れずに、俺に詰め寄った。

「いつもいつも!!お前は少しは伊作に対して警戒心を持てないのか!?いろいろ訳分からん実験に巻き込まれて、後々大変になるのはお前だろうが!!甘いんだよ!!今回も、明らかに伊作やアイツらが悪いのに、何でお前に俺が謝られないとならねぇんだ!!」
「え、」
「大体、すまなそうにしやがって、別に俺は!!手繋いだぐらいで気持ち悪がらねぇし、むしろ対象がお前なら、すっげぇ嬉しいし、つーか小平太の手は日常茶飯事で繋いでやがるくせによ!!」
「う、うれ、え、そっそれは、アイツがいつも暴れるから、抑えてるだけだろ!!」

も、文次郎は今なんと言っただろうか…。俺の聞き間違いじゃない…?うっ嬉しいって言った!?

「しかも、伊作にも無意識に手、預けてやがるし、軟膏ぐらい自分で塗りやがれ、このバカが!!」
「はぁ!?」
「つまり!!!俺が言いたいのは!!」

文次郎がそこまで言って、繋いだままで離れない俺の手を、さらにギュっと握って、俺をジッと見た。

「お前は俺と手繋いでるのが嫌なのかってことだ!!」
「……え」
「……っ!!」

暫くの沈黙のうち、はっとした文次郎が、空いた片方の手で口をバッと覆うと、俺から目線を逸らしてソッポを向いてしまった。

「いっ今のは…」
「今のは?」
「なっなかったことに…」
「……出来るかよ」

…何だろう、凄く気に食わない。ずーっと前から手に入れたかったものが、自分の近くに近づいて来てくれている感じなのに、それがまた自分から離れていく…。

「文次郎…」

なぁ、文次郎。

「文次郎」

それって期待して良いのか?俺がお前と手を繋ぐのが嫌…?

そんなの…。

っそんな訳、ねぇだろうが!!

俺は文次郎と繋がれた掌をギュッと掴んで、空いた片方の手で文次郎の空いた手をグッと引っ張る。すると口元を覆われていた文次郎の手が俺の手に捕まった。

「文次郎!!」
「…ばっ!!」
「こっち向け!!」そこまでして、俺か顔を逸らしていた文次郎が、どこか諦めたようにため息をつくと、ゆっくりと顔をコチラに向けた。

「…なん、何だよ、お前は…」
「っ」

その顔は見事に耳まで真っ赤で、見ているコチラまでそれが伝染する。

「お、お前こそ、何でそんな顔赤いんだよ…っ」
「だー!!もう見るな!!」
「え、やっ、やだ」

またコチラから顔をそらしてしまいそうな文次郎を必死に止めて、俺は首を精一杯振った。

「やだって…」
「…や、あ、あのな、お、俺は!!」

今、正直にならなくちゃ、ずっとずっと、言えなかったことがある。でも、今なら言える。正直な俺の気持ちが。

「俺は…お前と手を繋ぐの…」
「…」
「嫌…じゃねぇよ」
「っ」

途端、文次郎の目が見開かれるのを見て、俺は、「違う」と自分に言い聞かせた。
そういうことじゃねぇだろ、勇気だせ、食満留三郎!!

「あ、違、嫌じゃなくて…いや、絶対嫌じゃなくて、あの、むしろ、その逆って言うか…」
「あぁ」

だから

「あぁぁもう!!」
「は!?」
「だから!!嫌じゃねぇんだってば!!」
「そりゃ分かったっての!!」

俺が開いた片手で頭を押さえて塞ぎ込んで、まるで駄々をこねる子供のように、文次郎と繋がれた手をブンブン振った。

「だから違うんだよ!!」
「何がだよ!!」

どうしてこう肝心なときに、俺の口は上手く回ってくれないのか!!本気で泣きたい、むしろ泣けてきた。悔しい…。

「うっうぅ」
「!?何で泣くんだよ!!」
「自分の情けなさに涙が…出てきた…うっ」
「はぁ!?」
「言いたいことがあるのに、伝えたいのに」
「…」
「せっかく良い機会なのに、何で俺は…」

何で俺は、こうもダメなのか、文次郎を手に入れたいのは俺自身なのに、俺から言わなきゃダメなのに、やっと文次郎が近づいてくれたのに、どうして、何で…。

「うっうぅぅ」

両目から溢れてくるこの、悔し涙を、どうにかしたくて、片方の手でゴシゴシとこするのだが、それでも涙は溢れてくる。
たった一言「お前と手を繋ぐのが、好きだよ」ってそれだけで良いのに。

「ったくよ」
「え」

文次郎はそう言うと、俺の体に開いた片方の手を伸ばして、俺をギュッと抱きしめた。

「そもそも俺らが、言葉で、何か意思疎通しようってのが無理があるんだ」
「え、え?」

突然のことに、涙は引っ込み、文次郎の腕の中で、目を丸くさせている俺に、文次郎はどこか諦めたようにため息をはいた。

「お前が素直に口を割れないなら、俺が言うしかねぇじゃねぇか」
「?」
「留三郎、もう良い」
「へ?」
「言いたいことは、分かったから」
「何…が…」
「そんな、泣いてまで伝えられないってのも相当だけど、分かったから」
「?」

耳元で、呆れたような、

「しょうがねぇなぁ…留三郎」

でも優しくて

「俺はお前が」

俺を甘やかすような、声

「好きだぜ」


途端、どんなに離そうとしても、文次郎とくっついていた手が離れるのが分かった。


「……は…え、う、そ」
「嘘言ってどーすんだよ」
「え、だって」
「だって?」
「えぇぇ!!?」

混乱する俺に、文次郎は可笑しそうに笑っているが、こっちはそれどころではないのだ。今ならくっついている手も離れたし、手は繋いだままになっているし、抱きしめられているけれど、文次郎を殴るなりなんなりすれば俺は逃げられるだろう。でも…。

「でもな、留三郎」

途端、文次郎が俺を抱きしめていた体と、繋いでいた手をゆっくりと離した。途端、俺の体と手から、文次郎の温もりがあっさり離れる。

「良いたいことは分かった。何て言ったが、俺も結構不安な訳だ」
「っ」
「だからよ」
「…」
「食満留三郎!!!」
「は、はい!!?」

文次郎は大声で俺の名前を呼ぶと、

「行動で聞こう!!もし、お前も俺のことが好きなら…」
「は…」
「この手を取れ!!!」

俺の手から放した手をもう一度俺に突き出した。


「…っ〜〜っ」

この男は…なんつ〜キザなことをするんだろうかっ。
俺の顔が真っ赤になっていくのが分かる。きっと、耳まで赤いのだろう。

俺に向かって差し出す手とずっと手を繋ぎたかった。

「文次郎…っ」

伸ばされたその手を、俺はもう一度掴む。

「好き…だ」

素直に口に出来た言葉に、文次郎は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になって、俺の手を繋ぎ直した。が、途端悔しそうな顔をして

「あー…くそっ、不安吹っ飛んだ」
「ぶはっ」

文次郎のその顔が凄く真っ赤になっていたので、俺は思わず笑ってしまった。

「笑うんじゃねぇよ」
「だって、そっかそっか、嬉しいのか?」

そうやってからかうように俺が言うと、文次郎は俺を真っ赤な顔で見つめた。

「……嬉しいに決まってんだろーが」
「……お前のそういうとこ、やっぱり反則だと思う…っ」


繋いだ掌のお互いの熱で、確かに愛は伝わった。


掌に愛


〜後日談〜

「あ、あの薬?」

伊作にあのとき塗って貰った薬の効力を文次郎と一緒に聞いてみた。

「あ、あれねー掌がある一定の温度になると、くっついて、ある一定の温度になると離れるの」

のほほんと話す伊作だったが、明らかにくっ付くこと前提で塗っていたということは、やはり…。

「「お前ら仕組んだな?」」

文次郎と俺は伊作を睨み付けた。

「怒らないでよー、僕ら気を利かせたんだから」
「良い訳あるか!!授業遅れただろうが!!」
「まぁまぁ、先生たちには二人は腹痛で倒れたとか言っといたからさ」
「っ」
「それに、結果は良かったんでしょ?」
「「うっ」」

そうやってニヤリと笑う伊作の言うことは、間違いなかったので、俺と文次郎は思わず言葉を詰まらせる。

「あの時留三郎は用具委員会から帰ってきたばかりで、手が凄く冷たかったのね?勿論文次郎もこの寒い中、会計の計算なんてやって手使ってたから凄く冷たかったの、最初は冷たいもの同士でくっついて、お互いの体温で掌が暖かくなると解けるって訳」

どう?と言う感じで笑う伊作のタネ証だが、うん…まったく面白くねぇよ!!

「それにね、僕は可能性にかけたんだよ」
「可能性?」
「だってその薬、一日で効力切れちゃうんだよ、しかも留三郎は手の冷たい誰かと手を繋がない限り、手がくっつくなんて事はなかったんだ。しかもそのまま普通に文次郎と一緒にうどん食べに行ってたら、うどんの茶碗の熱で効力溶けるよ」
「…あ」
「つまり留三郎と文次郎にとっては、あの時が告白時ってことだったんじゃない?」

そうやって、伊作は優しく笑った。

「おめでとう、留三郎、文次郎」
「っ」

文次郎は俺は伊作に甘いって怒るけどさ、こればかりは仕方ないと思うんだ。
俺は思わず伊作にガバッ抱きついた。

「あーー!!」

時々ろくでもないことするけど、

「伊作〜っありがとう」
「ちょっ!!あ〜もう泣かないでよ〜」

コイツはやっぱり俺にとっては一番の友達だから…な?

「こら、バカ留!!離れろ!!」
「うわーさっそく彼氏が口うるさいよー留さーん」

そんな俺は、文次郎の嫉妬が少しだけ嬉しいので、暫く伊作に抱きついたままでいようかな、と思ったのだった。



俺の願望にまた一つ

今度の願望は、直ぐに叶いそうなので…。

「留三郎!!今から、和菓子屋行くんだろ!!」

文次郎はそう言って、俺の手を引いて俺を伊作から引きはがした。

今度は一緒に出掛けようか?

「行く!!」

文次郎に手を引かれた俺は、そのまま文次郎の手を握り返したのだった。





ヤマアラシのジレンマ管理人、苗木様へのお誕生日のお祝いに頂いちゃいました!ヤバい何倍も可愛い物が返ってきてしまって大変申し訳ない
片想い食満が大好きな國重にはたまらん作品です!ありがとうございました!




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